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大都市テヘランの公共交通機関(2)

前回は、世界でも有数の大都市であるテヘランの数ある交通機関のうち、渋滞の影響を受けない地下鉄についてお話しました。今回はその続きとして、公共バスとタクシーについてご紹介することにいたしましょう。

公共バスは大きく分けて2種類あり、1つはごく一般的な公共バス、もう1つは一般道路の脇に設けられた専用レーンを走り、渋滞の影響を受けないBRT(Bus Rapid Transitの略)と呼ばれる特別路線バスがあります。
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BRTの停留所

なお、テヘランのBRTは市内の渋滞の解消を目的の1つとして開業され、今年で開業6周年を迎えます。現在テヘラン市内には、以下の路線マップに見られるように10のBRT路線が走っています。テヘラン市内の広範囲に路線が張り巡らされているのが分かります。
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10年ほどなら、専用のチケットブースで薄い紙製のチケットを希望する枚数分購入し、1回乗車するごとに1枚をちぎって降車時にドライバーに渡す、あるいは現金で料金を払うという方式でしたが、現在は全て日本のSuicaやパスモのようなICカードをタッチして乗車するシステムに変わっています。

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過去に使用されていたバスの切符;当時のイランの通貨で2リアル

一般のバスとBRTバスのもう1つの違いは、一般のバスではバス内にてICカードをタッチするのに対し、BRTでは停留所にゲートがあり、ICカードをタッチしてからさらに中に入る仕組みになっているということです。
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BRTの停留所の入り口;ICカードをタッチしてから中に入る仕組みになっている

さらに、BRTの一部の路線は24時間運行されており、夜間も20,30分間隔で運行していることから、夜遅くなっても最終バスの心配は無用です。また、タクシーと比べて料金が安く、路線も多いことから、一般のバス、BRTのいずれの停留所でも利用客が大勢並んでいる光景が見られます。

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BRTも一般のバスも、昼間は数分間隔で運行しており、時には停留所に数台ものバスが一度に到着することもあります。

また、BRTの方が車内スペースや座席のピッチが広くなっています。ですが、いずれも日本のように優先席といったものはなく、お年寄りや体の不自由な人、妊娠中と見られる女性などが乗ってきたときには、誰かが席を譲るというのがイランでは普通です。

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そして、面白いことに、一般のバスでは車両の前方が男性用、後方が女性用のスペースに分かれており、BRTではその逆になっていることです。乗車口も男女別々です。もっとも、一般のバスではICカードのタッチの都合上、降車口は男女共通です。
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男女別になっている一般のバスの乗車口

最近では、女性のバスドライバーも見られるようになりました。
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次に、タクシーについてご紹介しましょう。タクシーにも、電話1本で来てもらえるアジャンスと呼ばれるタクシーのほか、バスと同様にルートの決まっている公共の路線タクシーがあり、これは乗り合いタクシーでハッティーと呼ばれています。テヘラン市内の至る所、特に大きな広場などに、行き先ごとに分かれたタクシー乗り場が設けられ、料金も目的地の表示とともに示されています。
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また、路線や料金が決まっている路線タクシーのほかに、通りがかりの車のドライバーと窓越しに行き先を告げて交渉し、料金の面で商談成立となったら乗車するという、サヴァーリーやダルバストなどと呼ばれるものもあります。こちらは、場合によっては料金が割高になることもあります。
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さらに、女性専用のタクシーもあります。これは、電話1本で来てくれるもので、車体にもWOMENS TAXIと標記されているのですぐに分かります。運転手さんはもちろん女性です。ですが、女性専用だからといって料金が割高ということはありません。
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テヘランでは最近、人口の増加とともに大量交通手段の整備が大きな課題とされてきました。日本と比べると、まだまだ電車や地下鉄の路線数は少なく、今後さらに拡充が必要とされ、一部の地域では路線拡大のプロジェクトが行われています。しかし、各家庭が自家用車を持つ傾向が強いテヘランのもう1つの課題は、大気汚染対策です。大都市としての発展とともに大気汚染の緩和、クリーンな環境の保護を実現するためにも、今後のテヘランでは安価な公共の交通手段のさらなる充実化が求められているといえるでしょう。

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