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世界中を自転車で旅するドイツ人サイクリスト夫婦への遭遇

Utee & Konrad
         <コンラッドさん、ウッテさんご夫妻と記念撮影、筆者は左端>

イランは、日本のような島国とは異なり、複数の国と陸続きの国境を有しています。そうした地理的な特徴により、イランには太古の昔から周辺国・地域の様々な民族が流入し、多言語・多民族の影響を受けながら独特の歴史を形成してきました。現在、イランは西側ではイラク、北西部ではアゼルバイジャン及びアルメニア、トルコ、北東部ではトルクメニスタン、東部ではアフガニスタン、そして南東部ではパキスタンとそれぞれ陸の国境を有しています。今回は、そうしたイランの地理的な特徴を利用してイランに自転車でやってきたドイツ人のサイクリスト夫婦をご紹介することにいたしましょう。

このご夫婦は、ご主人のコンラッドさん(65)と奥様のウッテさん(58)です。このお二方は、イラン北西部のアゼルバイジャンとの国境に面した都市アースターラーからイランに入国し、その後、カスピ海の沿岸都市ラシュト、テヘラン西方の町ガズヴィーンなどを経てテヘランに到着し、2ヶ月間ほどのイラン滞在中にイスファハーンやケルマーンなどをバスで周遊し、再び自転車でイラン北東部の国境都市サラフスからトルクメニスタンに抜ける予定だとのこと。1日に進む距離は平均して100キロほどだとか。本国で歯お二人とも既に定年退職しており、それを機会に体を鍛えて自分たちの足でペダルをこいで世界中を周遊する計画を思いついたそうです。ごくわずかな荷物とパスポート、GPSを頼りに自転車で世界を回ろうという、このようなバイタリティはどこから生まれるものなのでしょうか。テヘランに到着されたウッテ・プファッファーさんにお話を伺いました。
Utte
        <ウッテさんと記念撮影>

本国のドイツをいつ出発され、どのようなルートをたどってイランに入国されましたか?
ー2016年4月3日にドイツ・フランクフルトを経ってから、まず隣国のオーストリアに出ました。それから、イタリア、スロベニア、クロアチア、モンテネグロ、アルバニア、ギリシャ、トルコ、ジョージアを経てイランの隣国アゼルバイジャンに入国し、アゼルバイジャンとイラン北西部の国境都市アースターラーからイランに入国しました。ここまでの距離は、およそ1万キロほどになると思います。

これまで色々な国を見てこられたかと思いますが、イランの印象はいかがですか?
ーとにかく人がフレンドリーですね。どこにいっても、誰かが助けてくれ、またお招きを受けたり、プレゼントをいただいたり、一緒に記念撮影を頼まれたりしました。イランの人たちは、見知らぬ人も歓迎し、とても温かく接してくれます。私たちが今までに訪れた国の中で、最もホスピタリティあふれる国ではないでしょうか。ですから、イランでは何だか自分たちの家に帰ってきたような気分を感じています。それから、イランはてっきり砂漠とラクダの国だとばかり思い込んでいたのに、イランに来てびっくり。雨や雪も降るし、荒涼とした砂漠もあれば、緑豊かな山々もあり、その多様な気候風土に驚かされました。

これまで、イランのどこを訪問なさいましたか?
ーテヘラン西部から200キロほど離れたガズヴィーン、テヘラン、南部ペルセポリスとシーラーズ、南東部のケルマーン、メイマンド、ルート砂漠、中部ヤズドに行ってきました。テヘランでは、市内北部の高台からテヘラン全体の夜景を見渡すことができ、とても印象に残っています。
Yakei
               <テヘランの夜景>

ガズヴィーンでは自転車が故障するというハプニングに遭遇しましたが、ここでも地元の親切な自転車屋さんに助けてもらいました。これからまだしばらくイランにいる間に、北東部の聖地マシュハドを訪れようと思っています。
Qazvin
       <ガズヴィーンの自転車屋さんにて。右側がコンラッドさん>

日本人の皆様に一言メッセージをお願いします。
ーメディアで報道されているイランと、現実のイランはかなり大きく違います。まさに「百聞は一見に如かず」ですね。メディアの報道を鵜呑みにせず。是非実際にイランを訪問されることをお勧めします。そして、イランの素晴らしさを体感してみてください。イランの人々は、皆さんを温かく迎え入れてくれます。そして、皆様にもイランの人々に対する情愛が沸いてくると思います。

ウッテさんに今後の予定をお聞きしたところ、イランの次はトルクメニスタンに抜け、そこからウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、カザフスタン、中国を回り、さらには東南アジアに出てそこから船でインドネシア、最終的にはオーストラリアまで行きたいとのこと。まさに現代版のマルコ・ポーロとでもいえそうな、壮大な周遊計画に唖然としてしまいました。
とにかく、2人の脚力を頼りに、ひたすら自転車をこぎ続けて世界を周遊しようという、年齢を感じさせないそのバイタリティと強い意志には、本当に頭が下がるとともに、何か大きなエネルギーを分けていただいたような気分になりました。コンラッドさんとウッテさんの今後の無事と、自転車での世界一周達成を心からお祈りしたいと思います。

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