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日本とイランによる国際共同シンポジウムの開催

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モウラーヴェルディー・イラン副大統領と会談する安倍首相夫人

今月9日、テヘランで日本の笹川平和財団と、イランの女性・家庭環境担当副大統領府、イラン国際問題研究所により、「平和と持続可能な開発に果たす女性の役割」をテーマとした国際シンポジウムが開催されました。日本とイランによる国際シンポジウムの共同開催は、今年1月の核合意の実施以来、イランと各国との交流が盛んになっていることを象徴する出来事ともいえるでしょう。当日は、イランを初めて訪問した安倍首相夫人やイランのモウラーヴェルディー、エブテカール両女性副大統領が基調講演を行いました。また、ナザルアーハリー駐日イラン大使、そして主催者である笹川平和財団とイラン国際問題研究所の関係者、さらに両国の有識者らによるパネルディスカッションや、来場者との質疑応答も実施され、大変充実したシンポジウムとなりました。

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エブテカール副大統領と握手する安倍首相夫人

イスラム教国のイランで、女性がどのような状況にあるのかということは、日本人の皆様にとりまして大変興味深いことではないでしょうか。しかし、日本やそのほかの国のメディアの報道内容からは、イランの女性の現状を知ることはなかなか難しいと思われます。また、イスラム体制による宗教国であることから、イランの女性に対する誤ったイメージが先行してしまっているのが現状のようです。しかし、冒頭でもご紹介しましたように、現在イランでは女性が副大統領を務めているほか、先だって行われた国会議員選挙でも、多数の女性議員が誕生しています。また、小学校から高等学校まで男女別学のイランでは、女子学校の教師は全て女性であり、さらには大学教授、医療機関、メディア、学術機関など様々な分野への女性の社会進出が拡大しています。また、大学などの高等教育機関に進む女性の数も大きく増加し、今後のイランを担う上でイラン人女性の役割は益々大きくなっていくものと思われます。
さらに、これまで長年にわたる世界の6つの大国との協議が実を結び、核合意が成立しました。これに伴い、イランに対する一連の制裁が解除されたことを受けて、最近ではイランとの交流や通商面でのチャンスの拡大などを目的に、数多くの外国の代表団がイランを訪問しています。これまで存在していた色々な障壁がなくなったことから、イランと外国の交流がにわかに盛んになり、イランは今や急激に大きく変化しようとしています。こうした状況において、このたびイランと日本により国際シンポジウムが開催されたことは、イランと日本の交流の歴史においても、大きな転換点になると思われます。

さて、このシンポジウムでのイラン側からの開会の挨拶を行ったのは、先だって駐日イラン大使を務めた、イラン外務省のアラーグチ-国際法担当次官でした。アラーグチー次官は、平和と持続的な発展の前に立ちはだかる障害への対抗に向けた日本とイランの協力の強化が必要であると考えています。また、「イランと日本の関係は、1000年以上の歴史を誇っており、シルクロードを通じた、人々どうしによる文化的な交流であった」とし、「イランは、平和や持続的な発展のために、日本をはじめとする各国と協力する用意がある」と語りました。
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続いて、日本財団の笹川陽平(ささかわ・ようへい)会長が日本側を代表して開会の挨拶を行いました。笹川会長も、イランと日本と古くからの関係に触れ、「奈良県にはかつて、日本の都が置かれており、奈良を訪れれば、古代ペルシャの美術品の素晴らしさを堪能することができる」と語りました。また、「今回40年ぶりにイランを訪問したが、現在のイランは40年前とは比較にならないほど進歩しており、その大きな変化に驚かされた」と述べています。そして、2010年からはほぼ毎年、イランと日本により国際会議が開催されていることに触れるとともに、日本の社会における女性の役割についても、「日本政府の大きな方針の1つは、女性の社会活動への参加を支援することである。イランの現状を目の当たりにしてみて、この国でも女性の役割が非常に重要であることが見て取れた」と語っています。笹川会長は最後に、「私たちは、長期的な視野に立って日本とイランの交流を継続する決意である。このシンポジウムでの私たちの議論が、平和と持続的な発展に貢献する対話をもたらすものと確信している」と述べました。

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また、今回のシンポジウムの大きなポイントは、公益財団法人・社会貢献支援財団の会長を務める、安倍昭恵(あべ・あきえ)首相夫人が参加したことです。安倍さんは、今回のシンポジウムでの基調講演において、イランのモウラーヴェルディー女性家庭環境担当副大統領、エブテカール環境庁長官兼副大統領の正式な招待による、今回のシンポジウムへの参加に感謝の意を表明しました。また、男性が中心となって築いてきたこれまでのピラミッド型の縦社会では、国益が優先され、国益同士がぶつかり合った結果、世界平和ではなく、戦争をもたらしたと語っています。そのため、今後はそうしたピラミッド型の社会に代わって、生命を産みつないでいく女性が縦の枠組みを超えて横の枠組みを作り、真の世界平和に向けて女性が活躍できる社会が確立するべきだとしています。

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今回のシンポジウムではまた、マアスーメ・エブテカール副大統領が講演を行いました。彼女はまず、イラン北西部にあり、現在枯渇の危険に瀕しているオルミーエ湖の再生事業への日本の協力に感謝の意を示し、イランと日本の間における、教育と自然環境問題の分野での協力や交流、情報交換の活性化を強調しました。

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さらに、シャーヒンドフト・モウラーヴェルディー副大統領も、持続的な発展と平和のための女性の役割に関する、日本とイランの過去の経験や情報の交換の必要性を強調しています。社会で活躍するイラン人女性の代表格にふさわしい、モウラーヴェルディー女性環境担当副大統領は、次のように語っています。

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ーこのシンポジウムは、日本とイランが共同で開催した初めての国際シンポジウムであり、笹川平和財団と、イラン外務省付属国際問題研究所により実施されています。本日行われた安倍首相婦人との協議により、いくつかの合意書への調印が決定されました。それから、このシンポジウムの第2ラウンドが、今年の秋に東京で開催されることも決まっています。このシンポジウムの目的は主に、平和と持続的な発展に関するイランと日本の間の情報や経験の交換であり、さらに核合意の成立に伴っての、国際的な問題の解決と持続的な発展に関する女性たちの建設的な交流です。ところで、持続的な発展や環境保護は、女性の参加なしには実現は不可能であり、このシンポジウムは、そうした目的の達成に寄与するものと思慮いたします。
私のこのメッセージが日本の皆様に届けられますことを、大変うれしく感じております。実は近々、日出ずる国日本政府のご招待により、日本を訪問することになっており、非常に楽しみにしております。日本に参りました暁には必ず、日本人の勤勉さを実際にこの目で確かめ、これをお手本として持ち帰りイランに定着させたいと考えております。

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さて、一連の充実した基調講演の後には記者会見が行われ、昼食をはさんで、午後の部として有識者による専門的なパネルディスカッションと質疑応答が行われました。

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安倍首相夫人にインタビューする筆者

このセクションではまず、同志社大学の中西久枝教授、イランのシャヒード・ベヘシュティー大学のミールモハンマド・サーデギー教授が、平和や平和の実現における女性の役割について講演を行っています。中西教授、そしてサーデギー教授は、「より多くの女性が高度な教育を受けて社会で活動することにより、平和により貢献することができる」と語りました。

これまでお伝えしてきたように、今回のシンポジウムにはイランの在留邦人のほか、イランと日本の政界の要人や有識者が参加したほか、大勢の報道陣が詰め掛け、イランの報道各社でも大々的に報道されました。核合意が成立し、制裁が解除されてから、イランは国際社会でにわかに脚光を浴びるとともに、イランを取り巻く事情は急激に変化しています。そのような中で、イランの人々、特に女性たちは確実に進歩をとげ、イランや世界の平和と持続的な発展に向けて重要な歩みを踏み出しています。イランと日本は、アジアの東西両極端に位置しながらも、古くからシルクロードを通じて友好関係を深めてきました。この両国はともに、過去の戦争において原子爆弾や化学兵器の被害を受けた、という面で共通性を持つことからも、自国の女性たちの進歩発展を足がかりに、手を取り合い、世界の平和と持続的な発展に寄与する大きな可能性を秘めているといえるでしょう。今回のシンポジウムをきっかけとして、イランと日本のあらゆる分野での関係の拡大、そして平和と持続的な発展における女性の役割のさらなる向上を願うとともに、今後の動向にぜひ注目したいものです。

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モウラーヴェルディー副大統領から記念品を贈呈される安倍首相夫人、および日本財団の笹川会長

 

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モウラーヴェルディー副大統領から記念品を贈呈される安倍首相夫人

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