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書籍の春の祭典(1)

 

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中東最大規模を誇るテヘラン国際書籍見本市

去る5月1日から11日まで、テヘラン市内にあるイマーム・ホメイニー大礼拝所において、第26回テヘラン国際書籍見本市が開かれました。この見本市には、イラン国内外合わせて4145の出版社が参加したということです。

 

テヘラン国際書籍見本市は、その開催規模、開催期間中の来場者数、展示・販売書籍の冊数などの点で中東地域最大、また世界でも有数の書籍見本市とされています。来場者の延べ人数は、500万人から600万人、或いは1000万人とする声もあります。この見本市には、2545のイランの出版社の他、世界77カ国からの1600の出版社、諸外国の大使館、そしてNGO団体などが参加しています。

 

さて、今年は印刷機器を展示する印刷産業専門のサロンなど、昨年までは存在しなかった目新しいサロンが登場しています。礼拝所の外には、長さが2、300メートルはありそうな大きな仮設のサロンが設けられていました。これらのサロンは、芸術部門、児童図書部門、大学生用の専門書部門、電子工学部門、コンピューター部門、そしてNGOなどの団体部門となっています。驚いたことに、大学生用の専門書のサロンだけで100社以上が名を連ねていました。それ以外のサロンにも、数多くの団体や出版社のブースが設けられていました。

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国会図書館ブースでは

まずは、最も多くのブースが設けられている礼拝所の本館に足を運んでみました。中に入ると、歴史、文学、イスラム・宗教、教養娯楽などの一般図書を扱うブースがずらりと軒を連ねていました。どのブースも、書籍を買い求めに来た来場者で賑わっています。また、よく見てみますと、一般的な数多くの出版社のほかに、防衛産業出版やイスラム革命出版社といった、特別な出版社に加えて、国立図書館がかなり大きなスペースを占めていました。国立図書館は例年、この書籍見本市に参加し、メディアの取材も多いようです。このブースの担当者であるラフィーイーさんは、次のように語っています。

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「このテヘラン国際書籍見本市は、世界有数の書籍見本市とされています。開催規模やその入場者数の面でも、ドイツのフランクフルト国際書籍見本市に次いで世界第2位の規模だと聞いております。私どものブースでは歴史文献や資料、図書館学などの書籍を展示販売しています。ここを訪れるお客様のほとんどは、そういった分野を専攻する学生さんや研究者、大学教授の方です。このブースの1日の入場者数は、正確に申し上げることは難しいのですが、ある推計によりますと、およそ5000人に達するということです。イランは現在、学術が目覚しく発展している段階にあり、就学児童・生徒の数が増加しているとともに、大学生の数がピークに達しようとしている時期でもあります。このため、今後益々イランでの書籍の需要が高まっていくことが予想されます。ちなみに、イラン国立図書館は、日本の国会図書館とも協力協定を結んでおり、今後とも書籍、図書館学などを通じた日本との交流が深まるよう願っています」

 

地方から参加している出版社

一般図書部門をさらによく見てみると、大半はテヘラン市内に本社を置き、地方都市にも支店を持っているという出版社のようでした。そうした中で、タフテジャムシード、即ちペルセポリスというイラン南部の世界遺産の名前のついた出版社のブースを見つけました。この出版社は、サアディやハーフェズなどの偉大な詩人を輩出した、イラン南部の町シーラーズに本拠地を置いているということでした。この出版社はまた、土地柄文学関係の書籍のほか、カシュガイー族という地元の遊牧民に関する書籍なども取り扱っているとのことです。このブースの担当者、エンスィー・ファーテフォッラーザーデさんからは、地方都市の出版社としてこの見本市に参加するメリットや、見本市への参加資格などについて、貴重なお話をうかがうことが出来ました。

「私どもの出版社は、地方都市シーラーズにベースを置き、毎年この見本市に参加しています。この見本市に参加するメリットは色々ありますが、地元と違う、大都会テヘランのお客様のニーズを把握でき、今後の出版活動を進めていく上でのヒントになるという点が、一番大きいと思います。私どもの地元のお客様は、どちらかというと自宅向け、贈答用に文学書などを求めていく傾向があります。ですが、テヘランのお客様は学術書や専門書をお求めになる方が多いようです。この見本市での売り上げは、わが社にとっても大きいものです。昨今における紙や印刷の費用の値上がりに伴う書籍の値上げにもかかわらず、この数日で数百冊が売れました。また、この見本市に参加するには、やはり一定の条件を満たしている必要があります。そうした主な条件とは、イラン・イスラム文化指導省から出展許可を得ること、出版物が全てイスラム文化指導省の出版許可を得たものであることなどです。それから、前年度の売り上げ実績により、この見本市で割り当てられるブースの大きさが決まることになっています。是非、日本の皆様にもこの見本市会場を訪れていただきたいと思います。そして、いつの日か日本での書籍見本市に参加できたらと考えています」

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イラン全土からやって来る一般来場者

ところで、テヘラン国際書籍見本市は、1年に1回しか開催されず、また一般の書店ではなかなか手に入らないと思われる書籍が割安で求められることが特徴です。このため、テヘランの近郊都市を初め、テヘランから数百キロ離れたイスファハーンやコルデスターン、1000キロ近く離れた北東部の都市マシュハド、南部のケルマーンなどからやって来る人も決して珍しくありません。イラン北西部の町オルミーエからやってきた女子学生は、次のように語っています。

「私たちは、イラン北西部アルダビール州の出身で、現在西アーザルバーイジャーン州・オルミーエの大学で英語・英文学を専攻しています。今回は、大学で使う専攻分野の参考書を求めにやってきました。お陰さまで、手に入れたいと思っていた書籍を、低廉な価格で買い求めることができ、この見本市に来てよかったと思っています。ここで買った書籍は、おそらく私たちの地元では手に入らないだろうと思います。せっかくのチャンスですから、他にも興味のある書籍を買っていくつもりです。この見本市を見学して感じたことは、それぞれのブースに番号がついてはいるものの、ブースの数が多いため雑然としているということです。そのため、書籍を求めるために長い距離を歩かなければなりません。出版社ごとの配列をもう少し工夫してもらえれば、来場者がさらに利用しやすくなるのではないかと思います」

 

今年も大盛況のイラン日本友好協会ブース
一般図書コーナーをざっと見学してから、今度は外に出て、イランと外国の友好協会などのNGO団体が入っている屋外の仮設サロンに向かいました。嬉しいことに、イラン日本友好協会のブースは、他の団体のブースと比べて非常に活気にあふれ、人気があるようです。昨年と同様にこのブースの担当を務めてくださった、在日経験のあるイラン人、モハンマド・ファラーサトさんは、日本で手に入れたという浴衣に身を包み、「16年間、日本にお世話になったので、今度はこういう場で日本の文化紹介に努め、日本の皆様にお返しをしたいです」と、日本への思いを語ってくださいました。

この続きは、又次回お届けいたします。

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