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書籍の春の祭典(2)

 

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今年の日本大使館ブース

テヘラン国際書籍見本市には例年、イラン国内の出版社を初め、テヘラン駐在の外国の大使館なども数多く参加します。日本大使館もその1つであり、毎年この見本市に出展し、一般来場者の方々の大好評を博しています。今年は、メインの会場となったイマーム・ホメイニー大礼拝所の敷地に隣接した区域に、そうした外国の大使館や出版社の部門が設けられました。礼拝所の本館からは少々遠くなりましたが、それでもやはり大盛況のようです。そこで早速、このサロンをざっと見て回りました。色々な国の大使館がブースを連ねていますが、中でも大きなブースを構えていたのが日本、トルコ、ドイツ、そして韓国、中国のブースです。但し、これらの大使館のブースでは書籍の展示のみとなっており、一般来場者からは毎年、是非これらの国の原書を購入したいという切実な声が数多く聞かれます。一方の大使館側も、書籍を販売したいものの、諸般の事情により現在は販売がしにくいという事情を抱えているようです。この点について、日本大使館ブースの担当であるレザー・マーレキーさんは、一般来場者の要望と現状とのギャップに対する思いなどについて、次のように語っています。

「とにかく、イラン人は日本にとても興味を持っています。日本の書籍は品質がよいこともあり、来場者の皆様から、どうしたら日本の書籍を入手できるか、と聞かれるたびに答えに苦しんでしまいます。このブースで書籍を販売できないのが本当に残念です。いつか、日本の出版社が直接この見本市で書籍を販売できるようになったら、というのが私たちの切なる思いです。おそらく、コンテナ1台を借り切って日本から書籍を運んできても、見本市の期間中に完売するのではないでしょうか。この親日的なイラン人の声が、日本の皆様に届くよう願うと共に、見本市の事務局に対しては、こうしたことを考慮して日本大使館のブースをより探しやすい場所に配置して欲しいと思っています」

 

ピアソン・エデュケーション社のイラン代理店ブース

さて、外国部門のサロンには、各国大使館のほかにも国連、そして世界を代表する教育系出版社ピアソン・エデュケーションのイラン代理店がかなり大きなスペースを設けていました。ピアソン社は、学習者用のロングマン現代英英辞典を出版していることで知られています。このブースでは、実際に外国の書籍を販売しています。このブースの担当者である、マルヤム・ミールザープールさんは、次のように語っています。

「私どもの出版社は、外国の出版社のイラン代理店です。弊社は主に、英語学及び、英語教育に必要な書籍を扱っており、イラン国内でも英語教育に携わる方々の多くが、弊社の出版物を使用しています。このブースでは、他の大使館のブースとは違って、実際に外国の書籍を販売しており、特別注文も可能です。外国から直輸入の書籍を販売したのでは、価格が相当に高くなりますが、弊社では外国の出版社から許可を得た上で、外国の書籍をイランで国産化しています。このため、弊社の書籍の価格はよりお求め安い値段となっています。それから、今年は見本市の本館から少し離れたところにブースが割り当てられたため、お客様の出足が鈍るのではないかと懸念していました。しかしその結果、なんとなくふらりとやって来るのではく、目的を持ってここに足を運んでくださるお客様が増えました。ですから、こちらとしてもお客様へのご案内、販売がしやすくなったように思います」

 

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もう1つのペルシャ語使用国・タジキスタン

ところで、この見本市には、イランと同じペルシャ語圏にあるタジキスタンも参加しています。タジキスタンのブースでは、実際にタジク語の書籍が売られています。タジキスタンは、旧ソ連の崩壊と共に1991年にソ連から独立した国で、今でもロシア語が通用します。この国の国語であるタジク語は、基本的な文法はペルシャ語とほぼ同じです。但し、タジク語はロシア語のキリル文字で表記され、また発音や語彙の面では、イランのペルシャ語とは異なる点があります。ちなみに、アフガニスタンの国家的な英雄として称えられている、今は亡きアフマド・シャー・マスード将軍もタジク系です。イランとタジキスタンの書籍や人材面での交流について、イラン・タジキスタン友好協会のシャベスタリー会長は、次のように語っています。

「タジキスタンは、約70年間、旧ソ連の支配下にありました。その影響は今なお残っているものの、タジク人は自分たちの文化や宗教、そして母語であるタジク語に誇りを持ち、それらを維持しようとしています。タジク語を話す人々は、全体でおよそ1000万人以上と推定されており、タジキスタンの他、アフガニスタン、ウズベキスタン、中国西部の一部などで使用されています。タジク語は、現在のところはキリル文字で表記されています。しかし、ここ数年前からタジキスタンの学校教育では、イランのペルシャ語の教育が取り入れられるようになってきました。これは、タジク語が本来はイランのペルシャ語と同じであり、その本来のアラビア文字による表記法に戻そうという考え方が出てきているためです。このため、今後タジキスタンではイランの書籍の需要が高まり、それに伴って、イランへの留学希望者が増加すると予想されます。逆に、イランでタジク語の書籍を求めている人々といえば、タジキスタンからの留学生、キリル文字の読めるイラン人研究者やその方面の専攻の学生さんが主流です。イラン人とタジク人は、民族、文化、言語の面で非常に良く似ています。このため、今後はこの両国の交流が深まってくるのではないでしょうか。また、タジク人は、東日本大震災という緊急事態でも静粛な行動をとり、世界から賞賛されるとともに、自国の伝統文化をきちんと守っている日本人をお手本にしようと考えています」

 

国際書籍見本市にみる、イラン人の親日性

イランは非常に親日的な国といえます。この見本市にて会場の関係者や一般来場者の方々と接している際にも、イランが親日国家であることが感じられました。前回の番組でご紹介したイラン日本友好協会のブースも、折り紙のデモンストレーションや写真撮影、ペルシャ語による折り紙の解説書やDVDの販売などにより、とても賑わっていました。一般来場者の方々からも、色々な要望が寄せられました。その主なものは、日本の風景画や浮世絵のポスターや、イラン人向けの日本語の会話集が欲しい、或いは日本の書籍を直接購入したいというものです。元駐日イラン大使を務められた、イラン日本友好協会のアーデリー会長は、次のように語っています。

「今年もまた、日本大使館そしてイラン日本友好協会が、この書籍見本市に無事に参加できましたことは大変喜ばしいことです。また、このような機会に私どもの声をお届けし、日本の皆様と接点を持つことができてよかったと思います。日本の皆様には、イラン国民が極東の国である日本に多大な関心をもっていることを知っていただきたいと思います。私の見たところ、イラン日本友好協会のブースは、他の国や団体のブースと比べて訪れてくださる方の数がはるかに多いようです。この大きな見本市での活動は、ごく小さなものかもしれません。ですが、この活動が大きな成果につながり、ひいては両国の人的な交流が益々広がりますよう願っています。」

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これまで2回にわたってお届けいたしました、第26回テヘラン国際書籍見本市の最新情報はいかがでしたでしょうか。今後とも、イランで行なわれるイベントや行事などのホットな情報を随時お伝えしていく予定です。どうぞお楽しみに。

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