*テヘラン便りで取り上げた地域の旅行手配も承ります*
イランでは毎年、在テヘラン日本大使館が国際交流基金、イランのルーダキー財団、そしてイスラム文化指導省との連携により、日本の伝統文化を紹介する「日本文化週間」のイベントを開催します。今年は、首都テヘランと中部イスファハーンにて、日本文化週間が開催されました。
イランは元々親日国家であり、日本や日本の文化に関する一般の人々の関心には非常に高いものがあります。そのため、毎年恒例の日本文化週間のイベントも多くの来場者が訪れ、大変な人気を集めています。今年の日本文化週間は、例年よりも多様性に富んだプログラムにより、去る1月23日から28日までテヘラン市内のアラスバラン文化センター、ヴァフダト・ホール、ルーダキー・ホール、そしてイスファハーンにて実施されました。
初日となった23日と24日には、日本のダンスグループ・DAZZLEによる公演が行われました。また、24日にはテヘランのルーダキー・ホールにて、さらには25日にはイスファハーンにて、ピアニストの広瀬悦子氏によるコンサートが行われています。広瀬悦子氏は3歳からピアノを始め、中村紘子氏などに師事しました。1999年には、パリ国立高等音楽院を首席で卒業しています。また、これまでにモスクワ青少年国際ピアノコンクールでの優勝など、さまざまな国際コンクールで受賞しており、世界各国のオーケストラと共演を行っています。
さて、今年の日本文化週間の開催期間中を通して行われていたものに、イラン人による折り紙の作品の展示会とワークショップがあります。ここ数年におけるイランの折り紙熱には目を見張るものがあり、テヘランはもとより、地方都市にも折り紙協会が設立されています。また、幼稚園の教員の資格取得に当たって折り紙の習得が義務付けられるなど、日本の文化である折り紙は、今や確実にイランに根付いています。今回は、イラン西部ザンジャーン州からやってきた、小学校の折り紙教師の女性の方にお話を伺うことができました。
1.自己紹介をお願いします。
―私は、マルヤム・マフムーディーと申します。イラン西部のザンジャーン州から来ました。
2.折り紙を教えていらっしゃるということですが、どのようなところで教えていらっしゃるのでしょうか?
―私の住んでいるザンジャーンで、小学校で1年生から3年生、そして5年生の子供を対象に教えています。
3.子供さんたちの間で、折り紙はどのように受け入れられているのでしょうか?
―はい、それはもう、大変な人気ぶりです。最初は1つのクラスだけを教える予定だったのがだんだんに増えていきました。
4.どのようにして、折り紙を覚えましたか?
―訪問販売で、折り紙の本を売りに来る人がいまして、それを見て大変気に入り、まずは自分の子供たちに折り紙を折って見せることから始めました。そのうちに、これをほかの子供たちにも教えたいと考え、ボランティアで自分の子供たちが通う学校で折り紙のクラスを実施させてほしいと頼みました。実際にやってみて、子供たちから予想以上に人気を集めたため、校長先生から1年生や2年生のみならず、ほかの学年の子供たちにも教えてほしいと頼まれました。最初は、その学校では折り紙はまったく知られていませんでしたが、今では折り紙を知らない在学生はいないといってよいと思います。現在は、4つの学年で合計200名の児童に教えております。
5.折り紙がこれほど人気を集めている理由はどんなことにあると思われますでしょうか?
―それはやはり、紙というごくありふれた、誰にでもたやすく手に入る材料で、色々な形のものが作れること、そして創造力をはぐくむものであり、1枚の紙で何か形を作り上げることで、自分にもできるという自信を与えてくれることにあると思います。そして子供たちの集中力を育む上でも大変効果的だといえます。実際に私の教えている学校の算数の教師からは、折り紙を授業に取り入れたことで、子供たちの集中力が非常に上がったという報告を受けております。
6.現在、教えていらっしゃる子供さんたちは、どのくらい進歩しましたか?
―主に色々な動物の折り紙を教えています。それは、脇で見ていて動物の折り紙が非常に人気があることから、動物の折り紙を集中的に教えています。特別な外部の教室ではなく、すべての子供たちに折り紙を覚えてほしいと思い、ボランティアで教えていますが、子供たちが楽しそうに折っているところを見ると、本当にこちらもやる気が出てきます。
有難うございました。これからも頑張ってください。
お祭りデーの実施
さらに、今年の日本文化週間は、例年よりもバラエティーに富んだプログラムが用意され、最終日の28日には、お祭りデーと称して色々な催し物が行われました。書道の実演やはっぴの試着、日本人学校による竹馬などの昔の遊び、餅つきと華道のデモンストレーション、琴の演奏や剣道、柔道、空手、居合道の実演もあり、訪れた人々はそれぞれのデモンストレーションを熱心に見物していました。
インターネットが普及し、過去に比べて外国の情報が手に入りやすくなったとはいえ、やはり大使館が主催するイベントで間近に見る日本文化には、イランの人々にとって非常に興味深いものがあると思われます。今回のイベントを通じて、イランが本当に親日的な国であることが改めて実感できました。
日本から遠く離れたイスラムの国イランでの日本文化週間のイベント情報はいかがでしたでしょうか。今後ともまた、イランで開かれる日本関連のイベント情報などについて随時お伝えしていく予定です。どうぞ、お楽しみに。