テヘラン市内の行楽地・トーチャールのロープウェイ

 

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<トーチャールのロープウェーから見下ろせる夏のテヘラン市内>

 

テヘラン市は、日本の東京とほぼ同緯度に位置しているとともに、日本と同様に四季の変化に恵まれていますが、日本と比べると春と秋がやや短いといえます。また大陸性の気候であることから夏と冬の寒暖の差が大きく、夏は摂氏40℃以上にまで達することもあると同時に、冬は氷点下にまで下がり、区域によってはかなりの積雪があります。今回は、そうしたテヘラン市北部にある行楽地の1つ、トーチャール地区のロープウェイについてご紹介することにいたしましょう。

テヘランをはじめとするイランに降雪があるということ自体、一般の日本人の感覚では不思議なことかもしれません。しかし、今回ご紹介するトーチャールのロープウェイは、エルブルズ山脈を運航しており、このエルブルズ山脈は日本とほぼ同時期に当たる冬季には一面の銀世界となります。

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トーチャール地区のロープウェイは、正式にはトーチャール・ロープウェイ・行楽スポーツ施設群と呼ばれ、この施設群の一部とされています。この施設群は、現在はフランスの大手グループ、ケリングの傘下にあるスポーツ用品の製造販売企業プーマ社と、オーストリアの完全自動化ケーブル推進式APMシステムを提供する製造会社ドッペルマイヤー・ケーブルカーの協力により1974年に着工し、1978年に完成しました。また、ロープウェイのみならず、アーチェリーやバンジージャンプ用のコーナーもあります。

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さて、雪が少々ちらつく中、トーチャールスポーツ施設群の入り口に到着してからは、ロープウェイ乗り場までほぼ2キロの舗装されたコースを歩くか、もしくは送迎のミニバスに乗ることになります。今回は、時間がたっぷりあったこともあり、運動がてら歩くことにしました。途中の道路脇に建ち並ぶ樹木も、見事に雪化粧しています。曲がりくねったコースを歩いていると、スキー用具をかかえた人々の乗った車が何台も通り過ぎたり、また私たちと同様にロープウェイ乗り場までの雪の中のハイキングを楽しむ人に出会い、その人たちとのおしゃべりを楽しみました。
途中には当然ながら休憩所もあり、紅茶やネスカフェなどの温かい飲み物や軽食が販売されています。熱いネスカフェを飲んで少々休息してから改めて歩き出し、全体で1時間少々かかったでしょうか。やっと乗り場に着きました。ペルシャ語、英語、アラビア語で料金が記されています。ロープウェイが止まるステーションは全部で7箇所あり、どこのステーションで降りるかによって料金が変わってきます。今回、私たちは第5ステーションまで行ってみることにしました。料金は、大人1人当たり日本円にして往復1000円ほどでしょうか。券売窓口で切符を買い求め、乗り場に向かいました。
ここから、ロープウェイが出発します。

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トーチャールのロープウェイには、第1ステーションから第2ステーション、第2ステーションから第5ステーション、そして第5ステーションから第7ステーションまでの3つの主要コースがあります。その運行経路全体の距離はおよそ7500メートルにも及び、世界でも最長距離を誇るものだそうです。以下の地図の中で、緑色の曲線で示されているのが、ロープウェイの運行経路であり、この経路上に第7ステーションまであります。

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なお、この集合施設にはスキー客専用のリフトもあり、今回はシーズン中とあってリフトを利用する大勢のスキー客の姿が見られました。

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ロープウェーの窓からは、一面に雪を被ったエルブルズ山脈が絶景をかもし出しています。この山脈にはキツネなどの野生動物も数多く生息しているとのこと。おそらく、野生動物と思われる足跡もあちらこちらに見られました。

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この日は、天候の変化が激しく、私たちがロープウェイに乗っている間に空が晴れ上がり、雪景色に日の光りが照り返す風景に出くわしました。

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私たちの向かう方向にも、そして反対方向にもロープウェイが規則的に運行しています。ちなみに、ここのロープウェイの速さは秒速4メートルだそうです。第1ステーションから第2ステーションまではおよそ20分ほどでした。

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窓から下を見下ろすとかなりの高さにいることが分かります。第5ステーションまであと少しのところで撮りました。この地点は海抜2900メートルとのことです。
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トーチャールのロープウェイは、第7ステーションまで運行します。第7ステーションのある地点は、海抜およそ3700メートルとのことです。この行楽地は、年間を通してイラン国内外の観光客で賑わっています。遠くまで出かけなくとも、テヘラン市内に年中楽しめる行楽スポットがあり、それぞれの季節に応じた醍醐味を味わうことができます。新緑の季節や紅葉のシーズンには、また違った雰囲気が楽しめることでしょう。

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