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テヘラン市内での革命記念行進の一こま
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昨年のこの時期のレポートでもお伝えしましたように、日本の建国記念の日に当たる毎年2月11日は、イランではホメイニー師が主導したイスラム革命の勝利記念日に当たります。特に本年は、1979年の勝利記念から40周年という節目に当たることから、イラン全国各地で例年以上に盛大な祝祭・記念行進などが実施されました。イランでの毎年恒例のこの行事は、国民が一致団結して作り上げる英雄伝とも評されていますが、今年は40周年という大きな節目ということもあり、例年とは一味違った様相をかもし出しています。今回は、イラン各地でのこの大行進の様子をお伝えしてまいりましょう。
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「イスラム革命勝利記念40周年、過去への誇りと未来への希望」と記されたロゴマーク
今回、首都テヘランでの革命記念行事は、例年に比べて特に市内西部にあるアーザーディー広場での花火ショーや、ライトアップが目立っていたようです。これは、革命記念日の前夜祭のような形で行われています。アーザーディーとは、ペルシャ語で「自由」を意味しており、ここはいわば、欧米への従属から解放された自由を象徴する場所とも言われています。今回、当日の昼間の群集による集会もさることながら、今回の前夜祭にも数多くの人々が集まりました。
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色とりどりの花火が打ち上げられています。
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アーザーディー・タワーに映し出された国旗。
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革命の創始者ホメイニー師の肖像をライトアップするシーンもありました。やはり、「ホメイニー師は永遠に不滅」です!
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そしてもちろん、毎年の革命記念日に群集が集まる市内有数のこのスポットに通じる昼間の大通りの行進も、とても壮観でした。
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アーザーディー・タワーから放たれる風船。
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また、市内西部にあるミーラード・タワーでも、花火ショーが実施されました。
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さて、ここからはイランのそのほかの都市での様子も交えながらご案内してまいりましょう。
イランでのこの革命記念日は、それまでの欧米寄りだった王政が倒れ、西側陣営にも、東側陣営にも属さない独立したイスラム共和制が成立した、日本でいう建国記念日に相当します。そのため、いずれの都市での大行進を見ても、まず目に付いたのはイラン国旗や赤、白、緑の三色をベースにした装飾でした。(西部ガズヴィーン市にて)
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大きなイラン国旗の先頭に立って行進するクルド人男性たち。彼ら特有の民族衣装である太いズボンと腰の太いベルトが特徴的です(西部コルデスターン州)。
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大人たちが共同で持つ大型の旗の下でポーズをとる子供の姿もありました。たとえ子供であっても、立派に革命の支持者としてこの日のイベントに参加しています(北東部・北ホラーサーン州ボジノウルド市にて)。
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親御さんに抱かれてイラン国旗を掲げる子供(北西部ボスタナーバード市にて)。今や革命後に生まれた人口の方が多くなっています。
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ベビーカーに乗っている赤ちゃんにも国旗を飾り、愛国心をアピール(テヘラン近郊キャラジにて)。
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イラン国旗にあわせ、赤、白、緑の3色でばっちりキメた子供さん。その真剣な顔つきからは、子供なりに革命を一生懸命に捉えている様子が見て取れます(テヘランで)。
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革命を自分の目で見ていない世代とはいえ、自国の歴史を誇りにし、次の時代にも伝えようとする子供や若者の気概が見て取れます(テヘランにて)。
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大きなイラン国旗の傍らで、今は亡きイスラム革命の創始者ホメイニー師と、現在の最高指導者の写真を誇らしげに掲げる少年たち。Vサインでポーズ。
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テヘラン市近郊イスラームシャフルでは、三色の巨大ケーキが披露されていました。作るのにいったいどのくらいの時間がかかったのでしょうか?
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路上にて革命勝利40周年記念バッジを販売する男性(北部ラシュトにて)。
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中部の都市アラークでは、群衆が集まってイラン国旗を形成していました。
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南部ホルモズガーン州では、ペルシャ湾をバックにした行進が実施されました。
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ホルモズガーン州でのイベントに参加した女性。その浅黒い肌の色から、この地域に多いアラブ系の女性のようです。
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三色で装飾された市内の広場で気概を示すクルド人男性(西部コルデスターン州サナンダジ市にて)
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女性たちの群集。こちらも男性に負けず劣らず壮観な光景をかもし出しています。革命支持、イスラム支持のアピールから、イランでのイスラム式の女性の正式な服装である、チャードルと呼ばれる黒い被り物を頭からすっぽりかぶった女性たちが各自、思い思いにプラカードや肖像画などを掲げ、行進しています。
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いわゆる今風の少女たち、現代風の若い女性たちの間でも、革命とその指導者たちはしっかりと支持されています(テヘランにて)。
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現在の最高指導者ハーメネイー師の肖像を掲げる女性(テヘランにて)。
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手のひらにスローガンを書いて、「最高指導者様、私はあなたの御前におります。預言者ムハンマドを愛しています」とアピール(テヘランにて)。
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本当に、イランの女性たちは愛国心を示すこのような社会活動への参加にも、実に積極的です。国運を人任せにするのではなく、「自分たちの手で」と考える彼女たちの意気込みが感じられます(南部シーラーズにて)。
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Vサインにも三色旗をあしらい、愛国心をアピールしています。
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中部イスファハーンでの様子。人々がこの地の観光名所である33間橋に集結しています。
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イスファハーン市内の観光名所でもある「ナクシェジャハーン広場」に集まった人々。反米スローガンはここでも共通しています。
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「我こそは革命派」のスローガンを手に書いてアピールする女性たち(テヘランにて)。
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三色旗をネクタイにしている人もいました(テヘランで)。
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北東部マシュハドでも、大規模な行進が実施されました。
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大人とは別途に、革命記念式典に参加した小学生たち(テヘランにて)。
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現在のイスラム革命最高指導者ハーメネイー師への支持をアピールする高齢者の女性。こういう人の気持ちは、天皇陛下万歳を叫ぶ一部の日本人に似ているかもしれません(テヘラン市内にて)。
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祖母と孫も加わって3世代揃って行進に参加した一家(テヘラン近郊)。
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雨に濡れながらも、夫婦でイラン国旗に包まってポーズ(北部ラシュト市)。
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腕に三色のリボンを巻きつけて、祖国への愛国心を示す女性(マシュハドにて)
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拳の表面を三色に塗り、手を互いにつき合わせて互いの愛国心の団結を示しています。(西部ロレスターン州ホッラマーバード市にて)
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白地の帽子に赤と緑のラインを入れてイラン国旗をあしらい、愛国心を現す男性もいました。なかなかキマッています。(ホッラマーバード市内にて)
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バイクを走らせながらハーメネイー師への支持をアピールする男性(テヘランで)。
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軍服姿で当日のイベントに参加した陸軍の傷痍軍人たち(テヘランで)。
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革命によりパフラヴィー国王が去った当日の新聞を掲げる若者。ペルシャ語の大きな見出しで、「シャー(王)が去った」と書かれています(テヘランにて)。
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大変面白いことに、反米感情とともに、現在アメリカがベネズエラに干渉しようとしていることに反対するアピールも見られました(北部ラシュトにて)。
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中部ヤズドでは、その白装束からしてゾロアスター教の聖職者と見られる人々が、イスラム聖職者らとともに行進に参加していました。
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そして、イラン国内に在住する外国人も、このイベントに参加していました。どうやら、これらの人々はナイジェリアのシーア派指導者ザクザキ師の肖像を掲げていることから、ナイジェリア人と思われます(テヘランにて)。
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この革命が、先ほどにも少々お話したようにアメリカ寄りだったパフラヴィー王朝に反対する形で発生し、また現在特に制裁をめぐる対立をかかえていることからも、今年は特に反米色が強かったようです。さらに、イスラエル・パレスチナ問題で、イランがパレスチナをイスラムの同胞とみなし、パレスチナがイスラエルに占領されているとみなしていることから、反イスラエル・スローガンも見られました(イスファハーンにて)。
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この人が掲げているプラカードには、ラクダが夢の中でおいしい木の実を食べている夢を見ているが、それは夢だけで決して叶うことはない、というペルシャ語の諺を描いており、どうやらアメリカをラクダに例えて、「(イランを自らの意のままにしたいという)アメリカの夢は決して叶わない、ということをアピールしているようです。(テヘランにて)
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「アメリカに死を」のスローガンを掲げる高齢者の男性(西部ホッラマーバードにて)。
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反イスラエルを訴える高齢者の男性(西部ロレスターン州ホッラマーバード市にて)。
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若い女性たちも、反イスラエルをアピールしています。
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外国人も、反イスラエルのスローガンを掲げています。どうやら、これらの人々はナイジェリアあたりのアフリカ人のようです(テヘランにて)。
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ですが、表面的には確かに反米スローガンが叫ばれているものの、その矛先はあくまで対象国の上層部や首脳陣であり、決してその国の国民ではありません。イラン国民は平和主義をわきまえ、常に他国民との融和、友好関係をアピールしており、是非この点にも注目したいものです。
テヘランで、「アメリカの人々はイランに招待されている」とのスローガンを掲げる男性。
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「イランの後に続け」と、アメリカ人に呼びかける女性。
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あいにく今年は、革命記念日当日に北西部などでは雪に、また南部や北部の一部地域では雨に見舞われたところもありましたが、雨や雪など何のその、とても熱心な革命への思い入れから人々が大々的に行進に参加していました。以下は北西部・東アーザルバーイジャーン州タブリーズでの様子です。
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西部ハメダーン市内での行進の様子。寒さをものともせず革命記念行進を行う人々の姿、その意気込みには、思わずはっとさせられるものがあります。
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北西部アルダビール州にて、雪の中でハーメネイー師の肖像を掲げて行進する女性。
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大勢の群集が傘を差しながら、雪の中を行進しています(北西部タブリーズ市にて)。
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南部ファールス州ラーレスターン行政区では、雨の中の行進となりました。大勢の人々が傘をさしての行進も、なかなか見ごたえがあります。まさに、「雨ニモ負ケズ、雪ニモ負ケナイ」、人々の熱心さにより大行進が実施されました。
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イラン国内でも特に降雨量の多い地域として知られる、北部カスピ海の沿岸都市ラシュトの市役所広場でも、雨の中で革命記念行事が開催されました。
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とにかく、イランのいずれの地域においても、参加者はこの革命やその指導者への思い入れ、愛国心、そして「東側、西側陣営へのいずれにも属しない、独立した国」としての立場を強く訴えかけているように感じられました。小さな子供の手を引き、また雨や雪の振る中、さらには体が不自由ながらも、すべての参加者が革命の創始者ホメイニー師の理念に心を合わせ、一丸となってこの革命とそれに基づく国家体制の維持を、まさに体現している様子が伺えました。
1979年に史上初の宗教革命として世界を震撼させたイラン革命は、40周年という1つの節目を転機に、今後新たな段階に入っていくことになります。革命後に生まれた人口がさらに増加していく中で、世界でも類まれなこの革命の理念と精神は、その当初と変わることなく、今後さらにしっかりと次の世代に受け継がれ、そして全世界に伝えられていくことでしょう。
イスラム革命40周年という大きな節目に際し、イランの政府と国民の皆様に心から祝賀の意を表し、また今後益々の同国の発展を祈願いたしまして、今月のレポートを締めくくりたいと思います。