イラン情報

テヘラン市内に、最近折り紙ハウスがオープン

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日本語から世界各国の言語に借用語として入っていった言葉には、サムライ、カミカゼ、ニンジャ、カラテ、ジュードー、ハラキリなど沢山ありますが、そうしたものの中にオリガミも含まれます。折り紙はこの数年、イランでもにわかに注目されて急速に広まっており、ほぼ毎年によりイラン人による折り紙コンテストが開催されるまでになりました。今や首都テヘランのみならず、イランの各地方都市にも折り紙協会が設置されるほど、折り紙はイランでポピュラーな文化になりつつあります。今回は、ムードが広まる中、テヘラン市内のご自宅で、最近ご夫婦で折り紙教室と折り紙ギャラリーを主催するようになった、ゾフレ・バフロルオルームさんにお話を伺いました。

1.折り紙を始められたのは、何がきっかけだったのでしょうか?
―確か、私が5歳ぐらいの時だったでしょうか。私の祖父が、夏の暑い日に強い日差しの中で自宅の外壁のペンキ塗りの作業をしていたときに、私のために大きな紙で日よけの帽子を作ってくれました。夕方になってだんだん日が翳り、日よけの帽子が必要なくなってくると、今度は母がその紙で、舟を作ってくれたんです。ついさっきまで、頭に被っていた帽子があっという間に舟に早変わりするというのは、子供心ながら大変な驚きでした。それがきっかけで、学校の勉強のかたわら、身近にあるで自分でも優しいものから色々な作品にトライするようになりました。そうした状態が続いて現在に至っています。

また、冒頭でも触れましたように、この数年間は特にテヘラン市内で毎年のように、イラン人による折り紙コンテストも開催されています。ここで、バフロルオルームさんに、イランでこれほど折り紙が広まるようになった背景についてお聞きしてみました。
2.イランでは、特にこの5,6年ほどでしょうか。折り紙が急速に一般の方々に広まり、レベルも上がってきたように思われますが、これはどのような理由からだと思われますか?
ーやはり、インターネットの影響は決して無視できないと思います。ペルシャ語による折り紙の本も出てきてはいましたが、地域や事情によってはそういう本がなかなか入手しにくい場合もあったと聞きます。しかし、最近ではインターネットで折り図などを初めとする情報が入手しやすくなったことは非常に大きいですね。それから、数多くの大学で折り紙が学問として取り上げられるようになったこと、それから殆どの幼稚園や保育園でも折り紙が教えられていること、それから折り紙をする人の間で、もっとよいものを作ろうという競争心が芽生えたことが理由として挙げられると思います。

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今や、イランでは折り紙は色々な年齢層、職業背景、地域の人々に親しまれる文化になりつつあります。そうした中で、今後どのように折り紙を通じた活動を進めていかれるのかに興味を持ち、次のような質問をしてみました。
3、今後は、どのような目的をもって、現在のご活動をどのように広げていかれるご予定でしょうか?
―そうですね、目的としては大きく次のように2つに分けられると思います。まずは、折り紙が特に幾何学的な側面を持っていることから、イラン国内で折り紙を1つの学問的な領域として広めることです。そしてもう1つは、もう少し大きな視点で折り紙を捉え、折り紙を1つの文化として広め、これを平和活動につなげていくことです。まさに、広島で被爆した佐々木サダ子さんが、入院先の病院で日々折鶴を折り続けた、あの活動が今や全世界で知られ、折鶴が平和のシンボルとなっていることは、よく知られています。それと同様に、折り紙を通しての平和の文化の形成を目指し、将来的にはこれを同じペルシャ語圏のアフガニスタンやタジキスタンにも広められたらと考えています。
なるほど、イランのみならず、同じペルシャ語圏のタジキスタンや隣国のアフガニスタン二も目を向けていらっしゃるとは、素晴らしい先見の明をお持ちだと思いました。近い将来、これらの国にも手を広げられたら、それは素晴らしいものだろうと期待が膨らむと同時に、その時には是非、日本人として何らかのお手伝いをさせてもらえたらと感じました。最後にイランの折り紙事情の今後の展望についてお聞きしましたところ、イランを越えて中東地域全体を考慮しての抱負を語ってくださいました。
4.イランの折り紙事情は、今後どのような展望になっていくと思われますでしょうか?
ーどのような活動であれ、多かれ少なかれ困難がつきものであることは十分承知しています。しかも昔と違って、今はあらゆる年齢層の子どもがコンピュータ・ゲームに夢中になっていますし、これは数ある子どもの遊びの中でも圧倒的に人気を独占しているのではないかと思います。その他に、インターネットに携帯電話、スマートホンにタブレットなどがどんどん進歩して、大人も子どももかなりの時間をこれらの文明の利器に費やしているのが現状ではないでしょうか。しかしながら、費用もそれほどかからず、原則的に紙だけでこれほど多くの形を作ることができ、子どもから大人まで色々なレベルで楽しめるという、折り紙の魅力は、決して否定できません。それから、先ほどもお話しましたように、折り紙には遊びとしての側面もさることながら、今やイランでは大学の学問として取り上げられているように、幾何学的、科学的な側面もあります。これまで、折り紙のご経験がなくとも、一度紙を手にとって簡単なものでも良いですから、何かを作ってみて、1枚の紙に秘められた折り紙の可能性にお気づきになれば、どなたでもきっと折り紙の魅力を感じていただけると確信しています。私のこれまでの経験でも、折り紙に1度トライすると、夢中になるという方が多く見られます。こうしたことから、私は折り紙の展望は非常に明るい、期待できるものと考えており、将来はもしかすると、イランを初めとする中東諸国で最大の包括的な一大文化に発展するかもしれない、またそうなって欲しいと切に願っています。

バフロルオルームさんにお話を伺っていると、本当に折り紙に全身全霊で取り組んでいるという意気込みや熱心さが感じられました。今回お伺いした際には、イランの新年ノウルーズを目前に控えていた時期だったことから、折り紙で作ったイランの新年の7つの縁起物が飾られていました。

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片隅には、見学者の方々が実際に折り紙を折れるスペースが設けられ、色々な方々が楽しそうに折り紙にチャレンジしていました。このギャラリーを通して、イランで折り紙が益々広まり、ひいては国境を越えて近隣諸国、中東地域全体にも広まることを心から願いつつ、ギャラリーを後にしました。イランでの折り紙事情には、今後も是非注目していきたいと思います。

ABOUT ME
yamaguchi
IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信でニュース翻訳のほか、イランのことわざを週2回紹介しています。20年以上にわたりイラン滞在の経験があり、2016年からはイラン人の夫とともにテヘランから西に150kmほど離れたガズヴィーン州に滞在していました。現在は、イランと日本を行き来しながら、日本の皆様に普通のメディアには出てこないようなイランのホットな情報をお届けしています。