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イランでのサワーチェリーの収穫シーズン

イランでは最近、サワーチェリーが旬を迎えており、その収穫のニュースがあちこちから聞こえてくるとともに、果物屋さんの店先にも摘みたてのサワーチェリーが大量に出回っています。そこで、今月はこのサワーチェリーにまつわる話題をお届けしたいと思います。

サワーチェリーは夏の果物とされ、イランではサクランボとほぼ同時期あるいは、やや遅れて収穫され、市場に出回ってくるようです。この果物は、非常に鮮明な赤色あるいは濃いえんじ色をしていますが、これは日本でも目によいとして知られているブルーベリーなどに含まれているアントシアニンによるものだということです。

この果物は、そのまま生で食べるほかにも、ジャムやシロップ、ピクルスなどにする方法もあります。

摘みたてのサワーチェリーからタネを除去し、砂糖と一緒に煮込むと、おいしい自家製ジャムが出来上がります。

また、サワーチェリーを煮詰めてできたシロップは、冷水や氷と混ぜて、真夏に相応しいドリンクになるほか、牛乳と混ぜてミルク・シェーキにもできるなど、様々な用途に利用できます。

また、サワーチェリーはムースやヨーグルトに混ぜるほか、サワーチェリーパイにも応用でき、さらには小麦粉を油と砂糖でいためて作るイラン式菓子の一種・ハルワーにも使えます。

さて、見た目も鮮やかで多種多様な用途に応用できるサワーチェリーには、イブプロフェンという要素が含まれ、抗酸化作用があることから、炎症を伴う非常に多くの病気に効くほか鎮痛剤としての効能もあるということです。さらに、この果物は痛風や関節炎の治療のほか、糖尿病や心臓病、アテローム性動脈硬化、認知症の予防にも効果があるとされています。

さて、筆者が現在在住しております、テヘランから西に150キロほど離れたガズヴィーン州でも、サワーチェリーの栽培・生産は盛んに行われており、州内には総面積にしておよそ1000ヘクタールにおよぶサワーチェリー園があるといわれています。今回、ある伝でガズヴィーン州内でサワーチェリー園を営んでいる果樹園業者の方にお話を聞くことができました。

この業者の方は次のように語っています。

「私が思いますに、ガズヴィーン州内ではサワーチェリーは栽培面積1ヘクタール当たりの収穫高がおよそ7.5トンになるかと思います。サワーチェリーは、気候風土への適応力が強く、寒冷地でも実をつけます。ただ今年は、特にこの地域は昨冬の寒さが厳しく、春の到来が幾分遅かったことなどから、例年よりやや小粒で、収穫高が若干落ちる可能性があります。ちなみに、今年のガズヴィーン州内のサワーチェリー園における総収穫量は、7000トン強と予想されています。

サワーチェリーにも在来種や外来種があり、また最近ではそれぞれの種類の長所を組み合わせるための品種改良も盛んに行われています。このため、風味や粒の大きさ、外見などでも選りすぐれたものが沢山生まれ、より安価で市場に出回ってきています。

サワーチェリーは生のまま食するほかにも、ジャムやシロップ、ピクルスにしたりと様々な用途に使えます。また、ガズヴィーン州をはじめとするイラン産のサワーチェリーは高品質であることから、国内市場はもとより近隣諸国にも大量に輸出されています。

昨年に続いて、今年も新型コロナウイルスの影響で、作業員の感染などから作業にも影響が出ていますが、大自然の営みは例年と変わらず、今年もたくさんのサワーチェリーが収穫できました。コロナ禍でも恵みを与えて下さったことを神に感謝しています」

ちなみに、筆者もこの時期に自宅の庭で取れたサワーチェリーを使って、自家製のジャムを作ってみました。日本では果物は比較的高価であり、大量に果物を買い求めてジャムを作るというのはある意味、一番の贅沢かもしれません。しかも自分の家の庭で取れた果物を使ってのジャム作りというのも、なかなか経験しづらいのではないでしょうか。1つ1つの種を取り除くのは少々時間がかかりますが、それだけに出来上がったときは喜びもひとしおでした。またこれを出来たてのパンとバターとともにいただくのは最高です。

まだまだコロナ禍が続き、自由な外出がままらない中でも、何か楽しみを見つけて「おうち時間」を有効に過ごした経験は、コロナ後にもきっと役立つのではないかと思われます。

来月のレポートも、どうぞお楽しみに。