先ごろの日本では、ちょうど冬至にあわせてイランのローハーニー大統領の訪日が大きく報じられました。日本ですと、冬至の習慣としてゆず湯に入ったり、みかんやかぼちゃなどのビタミンの多い食物を摂取して冬の寒さに備える、といったものが思い浮かぶかと思います。一方、イランでは冬至の日に家族や親戚で集まり、夏の果物であるスイカのほか、ザクロ、乾燥ナッツ類、焼き魚と野菜入りライスを食べるなどの習慣があります。今回は、イランの冬至の食卓に登場する、スイカを使ったフルーツカッティングの数々をご紹介してまいりましょう。
日本でスイカといえば球状のものを連想される方が多いかと思います。ですが、イランでは球状のもののほか、ラグビーボールをもう少し膨らませたような、楕円球形のものもあります。まずは、表面にとにかく精巧な切り込みの入った作品からご覧ください。
とにかく、細かい模様やデザインが丹念に掘り込まれていることに驚かされます。以下の作品には、かぼちゃも使用されています。
今度は、非常に面白いデザインの作品をご紹介したいと思います。ロマンチックなものから、ユーモアなものまで実に多彩な趣向が凝らされています。
人の顔やアニメのキャラクターをモチーフにした作品をご覧ください。
風に髪をなびかせる女性の顔が掘り込まれた作品もあります。
今度は、女性の顔に花の組み合わせです。
花嫁・花婿さんを掘り込んだ作品。結婚式のお祝いにも喜ばれそうな作品です。
2羽の白鳥が向き合っている作品。
バレンタインデーには、チョコレートの代わりに以下のようなスイカを贈るのもよいかも知れません。
今度は、子どもが喜びそうな作品をご紹介しましょう。スイカの形状や特徴がうまく生かされています。
以下の作品では、一口サイズに切ったスイカの赤みの部分に爪楊枝を刺し、ハリネズミの背中の針に見立てています。
太陽の下に輝くヒマワリを彫刻した作品。スイカの赤みの部分を太陽に見立てています。
果物の表面にあえて海の生き物を彫りこんだ作品も興味深いものです。
それではここで、実際のスイカ・アートのある作品の製作工程をお見せしたいと思います。趣味として長年、フルーツカッティングを楽しんでいる、あるイラン人の知人N・Gさんにご協力をお願いしました。さて、何ができるでしょうか?
冬にスイカを食べるというイランの習慣は、私たち日本人から見てある意味で奇抜かもしれません。しかし、このスイカ・アートにはスイカをただ切って食べるのではなく、工夫を凝らして様々な作品に仕上げるという、非常に面白いイラン人の発想が現れていると思われます。
本年も、毎月の拙レポートをお読みいただき、ありがとうございました。来年も、読者の皆様方に引き続きイランからのホットな情報を沢山お伝えしてまいりたいと思います。皆様、どうぞよいお年をお迎え下さい。それでは、来月のレポートでまたお会いしましょう。