アメリカとイスラエルによるテヘラン空爆
2月28日の米・イスラエルの空爆で死亡したイラン最高指導者アリー・ハーメネイー師(享年86)
ハーメネイー師支持を訴える夜間デモ(テヘランで)
まさに今、イランが激動の瞬間を迎えています。2026年2月28日、衝撃のニュースが世界を駆け巡りました。予てからイランと核協議を続けてきたアメリカがイスラエルと共に対イラン軍事攻撃に踏み切り、この中でイランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師が同日午前に自身の執務室で死亡しました。その後、戦況は瞬く間にイラン全土に拡大し、これまでに南部の小学校への爆撃をはじめ、軍事施設を含めた国内数千か所が攻撃の被害を受けています。イランもこれに対し報復に出てペルシャ湾の湾口・ホルモズ海峡を閉鎖し、湾岸諸国にある米軍基地などを対象に報復攻撃しました。しかも、この戦争の影響は単に交戦勢力であるイランとアメリカ、イスラエのみならず、ペルシャ湾岸諸国や西アジア全体、ひいては日本を含めた世界全体に拡大し、航空産業、観光、エネルギー分野などにも波及しつつあります。アメリカ側は攻撃を益々強化すると宣言し、一方のイラン側も徹底抗戦を呼びかけており、イランでは本来春の新年ノウルーズを迎え、また同国を含むイスラム圏がラマダン明けの祝祭ムードにあるはずの中、事態は今なお収束の兆しが見えず、混沌化しています。
イランはコロナ禍前からもデモや軍幹部の暗殺、地震、昨年の12日間戦争など様々な試練を潜り抜けてきましたが、テヘランで昨年末に始まったデモをきっかけに一連の騒乱に突入し、先月のアメリカとの核協議を経て、遂にアメリカがイスラエルと共にイランに対し開戦しました。2012年からこれまで14年近くにわたりお届けしてきたこのテヘラン便りでは、日本やそのほかのメディアではなかなか報じられにくいと思われる、名所旧跡や歴史、食文化、現地でのイベントなどを中心にイランの魅力をお伝えしてまいりました。しかし、現在イランはまさに、テヘラン便り開始以来最大の出来事に瀕しているといってもよいかもしれません。そこで今月は、テヘラン便り開始以来最大、そして現代イラン史上最大の出来事の1つともいえる「アメリカとイスラエルの軍事攻撃」の最中で、筆者のもとに寄せられるイラン現地および、在日イラン人をはじめとする生の声をお届けしたいと思います。
先月28日、アメリカとイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始したという速報と共に、これまで37年間にわたりイランの最高指導者として君臨したハーメネイー師がこの攻撃で死亡した、というアメリカ側の発表がニュースとして飛び込んできました。まさに寝耳に水、世界に衝撃を与えた一報だったと思われます。
開戦当時のテヘランでの爆撃
イラン国営メディアが報じたハーメネイー師の死去・殉教
涙ながらにハーメネイー師の訃報を伝えるイラン国営メディアのアナウンサー
特に国内の保守派などを中心に、多くの人々がハーメネイー師の突然の非業の死を嘆き悲しみました。こうした人々は、特に女性は頭からすっぽり被るイスラム教徒女性の被り物チャードルに、男性は黒いシャツに身を包み、イランイスラム共和国国旗を掲げてハーメネイー師の殉教を悼み、復讐や報復への決意を新たにするとともに、現イスラム体制への支持をアピールしていました。
胸を叩きハーメネイー師の死を悼む人々(テヘランで)
ハーメネイー師の肖像を掲げて現体制への確固たる支持を表明(北西部タブリーズにて)
ハーメネイー師を支持する女性も多く、遺影を掲げ涙にくれる姿も見られました。きっと身も心もハーメネイー師に捧げ切っていたのでしょう。
アメリカとイスラエルへの報復を主張し気炎を上げる女性たち;「侵略者に報復を」
顔面にワンポイントの三色旗をあしらって参加する子供;「アメリカなんかこわくない」
国旗をまとって現体制への支持を表明する真剣な表情の男性
このように、故ハーメネイー師や新最高指導者モジタバー師、そしてイスラム現体制を支持する人々も非常も決して少なくありません。彼らの間からは「アメリカなど恐れていない」、「敵が本土に攻めてくれば武器を取って戦い殉教する」、「アメリカもイスラエルも張りぼて」、「絶対に我々の勝ち」といった力強いコメントが聞かれました。
また、先代最高指導者ハーメネイー師の死亡を受け選出された新最高指導者のモジタバー師に対する熱烈な支持表明も見られました。
歩道橋に横断幕を掲げての車両によるモジタバー師歓迎の夜間パレード
なお、今回のアメリカとイスラエルの攻撃ではハーメネイー師の妻や孫の他、イランの軍幹部ら複数名も殉教しています。
2月28日のイスラエル軍の攻撃で殉教したイランの軍関係者;右からムーサヴィー合同参謀本部議長、シャムハーニー最高指導者政治顧問(国防評議会最高指導者名代)、パークプール・イスラム革命防衛隊司令官、ナスィールザーデ国防軍需大臣
さらに、今月17日には故ハーメネイー師の対米チャンネル・調整役ともいわれていたラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記がイスラエルの空爆で死亡しました。
3月17日のイスラエル軍の空爆で殺害されたアリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記(享年67)
さらには、イラン情報大臣のほか、民兵組織バスィージの長もアメリカとイスラエルの攻撃で死亡したことが確認されています。
さて、アメリカとイスラエルによる今回の対イラン攻撃、そして最高指導者や一連の政府・軍関係者らの殺害は「国際法違反」「国家主権の侵害」などとして大きく非難されている一方、イラン国内はもとより、特に在外のイラン人などの間で肯定的に捉えられていることも事実です(写真はオーストラリア在住イラン人ら)。
そしてこうした人々の多くは、写真からもお気づきのように、1979年のイスラム革命前のパフラヴィ―王朝政権を支持し、旧王朝時代の獅子と太陽のある旗を掲げています。また実際、今は亡きパフラヴィ―朝最後の国王の実子に当たるレザー・パフラヴィ―元皇太子への支持や、この人物のイラン帰国・復権を声高に叫ぶ人々も相当数存在しています。これらの人々は「私は遺言する」といった一大キャンペーンを展開し、現体制反対、レザー元皇太子支持を訴えています。
1979年のイスラム革命以来アメリカに亡命中のク―ロシュ・レザー・パフラヴィ―元皇太子(1961~)
このように、今回の一連の動きをプラスに捉えているのは、在日イラン人らも決して例外ではありません。実際にハーメネイー師の死亡が発表された3月1日には、東京・港区のイラン大使館付近で大勢の在日イラン人らが集結し、歓声を上げていました。また、イラン国内で宗教上の祝祭などで一般向けに菓子が配布されると同様に、ここでも菓子を配る光景が見られました。
多数の在日イラン人らが旧王朝時代の旗を掲げて参加。参加者の年齢層も様々。
多くの在日イラン人が、日本国内各所から詰めかけていました;「この日を待っていた」
レザー・パフラヴィ―元皇太子の写真を掲げる人も。この人物の帰国を待ちわびる人も少なくありません
星条旗を掲げる人もいました。彼らは自分たちのスローガンを叫んでいましたが、行動はとても平和的でした。
さて、ここで筆者の知り合いの在日イラン人、もしくはイラン本国のイラン人は今回の状況をどう見ているのかについてお話したいと思います。もちろん、イラン本国を中心に今なお現イスラム体制やアリー・ハーメネイー師の後を引き継ぐ新しい最高指導者を支持する人々も相当数いることは確かです。しかしながら、筆者の知る在日あるいは現地のイラン人、あるいは、彼らを通して聞こえてくる声は、今回の出来事を決してマイナスにはとらえていない人がほとんどのようです。
特に、在日イラン大使館近辺で行われた集会では、「いなくなるべき人がいなくなっておめでとう」、「アメリカとイスラエルには逆に感謝」、「これまでの問題を元から正すために、外国から攻撃してもらってよかった」、「イランをこんな事態に追い込んだ人にはお引き取り願って当然」という、かなり強い意見が数多く聞かれました。
東京近郊在住のある男性(51)は「もっと早くこうなるべきだった。イラン国内では誰も国民の悩みを聞いてくれない。あのままではいつまでも経済問題や制裁に苦しむだけだった。かえってよかった、というより、いつかはこうなって当然だった」と確信をあらわにしていました。
また、テヘラン市内東部地区に住む女性M・Dさん(38)は、ある在日イラン人を通して次のように語ってくれました;
「私が住んでいる地区は、近くに政府関係機関があるため、かなり爆音が聞こえ、窓ガラスが震えるなどの現象に悩まされています。確かに今回、アメリカとイスラエルの攻撃により、軍関係者の多くが亡き者にされたとのことですが、今まで国民が制裁や経済難で苦しんできたことを考えると、イランの根本的な状況改善のためには、少々痛い治療が必要だったのかもしれません。もちろん、いつ爆撃されるかに怯える生活は誰も好まないでしょう。でも、これから本当の意味で生活しやすくなるために、私たちは試練を与えられているのかもしれません」
最も多く爆撃されているテヘランでは、爆音や対空防衛の音が聞かれることもしばしば
また、今回の一連の騒乱でイラン政府側は安全のためといった理由により、国内のインターネットを遮断しましたが、これは海外からの情報流入や国内情勢に関する情報の流出を防ぐことが目的と言われています。このことから、在日イラン人もイラン本国に残る家族などと連絡がとれず、日々現地の親類縁者や友人知人を心配しながら暮らしています。これについて、大使館前のデモに参加した北部出身のある在日イラン人男性(32)は次のように語っています;
「現代生活に欠かせない必須手段としてのネットを遮断するなど言語道断。国側は、自分たちの安泰のためにこんな卑怯な手を使うしかないのか。ここにいる皆が、イランの家族や友人に連絡できなくてやきもきし、心配している。この気持ちがわからないのか。自分たちが連絡通信手段を絶たれたらどういうことになるかを考えてほしい。でも、ここまできたらネットを遮断しても無駄だと思う。上が厳しく取り締まれば取り締まるほど、何かの手段を使って穴をかいくぐる人が出てくるのは間違いない。ネットを遮断しても、イラン国内の現状は世界にはとっくに漏れ出している。情報が漏れないと思っているのは体制責任者だけ。現実に目を向けるべきだ」
さらに、南部シーラーズ市出身のある在日イラン人男性(45、飲食店経営)は次のように話してくれました;
「自分は今日本に住んでいて、戦争のない平和な毎日を送っています。お陰様で、日本にこれまで20年以上住み、仕事も収入も安定しています。そうした中で、母国がアメリカやイスラエルに軍事攻撃され、母国に残る自分の家族が戦時下で暮らしており、いつ爆撃するのか分からず、危険が迫っていることに、居ても立っても居られない気持ちです。でも、遠く離れた日本からはどうすることもできません。こうなってしまった以上、国の体制責任者にはこれ以上犠牲者を出さないよう、早めに事態を収拾させてほしい。国家の威信とか、色々言いたいことはあるだろうけれど、まずは国民の安全と、これまで長期間制裁下で苦しんできた人々を救ってほしい。外国の軍事攻撃はよくないことだけれど、国側にも考えてもらいたいです」
一方で、戦争が長引くほど、イラン国内の市民らの生活が圧迫されることは言うまでもありません。そうした戦時下の苦境について、テヘラン西部アルボルズ州キャラジ在住の女性(39)は、在日イラン人の知人を通して連絡で次のように語っています;
「学齢期の子供が2人いるのですが、学校はオンラインになりました。また、いつ爆撃されるかも分からず、外出がしづらいです。ATMで現金を下ろすこともままなりません。しかも、ネットが遮断されているので家族や友人知人にも連絡できず、こういったことが重なってかなりのストレスを感じています。もう何でもいいから、早くこの状況を何とかしてほしい。自分たちの宗教や習慣は大事だけれど、そのためにこんな形になるのはどうかと思う。宗教の本来の目的から外れてしまっているのでは」
そして、UAEアラブ首長国連邦ドバイ在住の女性(40)も次のようにコメントしています;
「イランは今のままでは、宗教信仰はさておき、統治体制にはじまり医療・教育システム、産業などすべてにおいて今の自分が住んでいる場所とは比べ物にならない。イランは確かに自分の生まれ育った国で、ここドバイでは自分は確かに外国人として扱われ、異境の地ということになる。でも、正直言って生活のしやすさの面では残念ながら今の方がいい。もっとも、イランの現状が大きく変わって暮らしやすくなったなら、もちろんイランに帰りたい。自分の祖国が今回の出来事をきっかけに、いい方向にチェンジしてほしいと願っている」
こうして見てくると、率直に言って現在のイランは現状・現体制への熱烈な支持派と、国内はもとより在外イラン人の間に多いと思われる現状改革・転換派の2つに大きく割れていると言えるのではないでしょうか。もっとも、あくまで筆者の個人的な見解では、現体制の反対派は国内外を合わせて相当数いるものの、1979年のイスラム革命を統率したホメイニー師のように大勢の人々をまとめる絶対的な統率者がおらず、レザー元皇太子も今一つそうした存在にはなり切れていないように感じられます。
新最高指導者のモジタバー師への支持を訴える人々、テヘランで
現状転換・打破を訴える王政支持派の在外イラン人ら、米ワシントンDCで
ところで、すでに読者の皆様方もご存じかと思われますが、筆者自身は通算24年間イランに滞在歴があり、イランに家族や知人も多数いることから、市民の側でもあるとともに、イラン国営IRIB国際日本語通信の翻訳業務を担当しているため、現体制側でもあるという、非常に複雑な立場にあります。日々イランにいる夫や家族、友人知人の安全を危惧しながらも、職務を通じてイラン現体制側の立場や見解を日本語で論理的に報じることに努めてきました。このような状況にあることから、実は今回の戦争勃発以降、筆者は日本の複数のメディアの取材やインタビューを受けています。
こうしたことも踏まえ、昨年末に発生した市民デモに始まり、先月末のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃、そして最高指導者を初めとするイラン政府上層部の殺害、国内外の体制派と反体制派の両方のイラン人の動向といった一連の出来事について、筆者はあくまでも中立的にとらえてきました。
まず、アメリカとイスラエルによる対イラン軍事攻撃と、イラン最高指導者や政府・軍幹部の殺害については、完全な国際法違反、国家主権の侵害だと考えます。アメリカとイスラエルにとっては、イランの軍・政府幹部のメンバーはそれこそ憎々しい、自分たちとは絶対相いれない、目障りな存在なのでしょう。しかし、だからといって自分たちの言い分を通すために軍事力に訴え、気に入らないから相手側の国家元首や政府・軍幹部の殺害に訴えるという行動は、政治家や国家元首などである以前に、人間としてどうなのかと疑問を感じざるを得ません。イランの国内問題に外国が軍事介入するべきではなく、あくまでイラン国民に国運を決定させるべきではないでしょうか。
また、イランという国は、日本や世界にとって重要な石油の供給源であり、世界有数の原油の輸送海路であるホルモズ海峡を管轄しています。しかも、近隣国には親イラン派の抵抗組織などのほか、航空路線上重要なハブ空港も存在します。そのような地政学的条件下にあるイランを攻撃すれば、イランの反撃や西アジア全体の情勢不安をまねき、エネルギー価格の高騰や西アジア・ペルシャ湾地域の航空・輸送業をも混乱に陥れ、ひいては日本をはじめとする世界が打撃を受けるであろうことは十分予想できたはずです。しかしながら、侵略した側はそのような結果など考えずに、自らの要求が通らないからと軍事力行使に走ったわけですが、まさにこれは「力による現状の変更」を試みる行為であって、許しがたい暴挙だと考えます。そして、今回アメリカとイスラエルがこのような行動に出たにもかかわらず、国際機関が強い抑制措置に出なかったことから、国際法違反や国家主権の侵害が平然とまかり通る前例ができ、国連などの世界平和に寄与すべき国際機関や国際法の存在意義が薄れることが考えられます。特に国連で、最初に攻撃を仕掛けたアメリカとイスラエルに対する非難決議は出されず、自衛権として近隣国の米軍基地を攻撃したイランを非難する決議が可決されたことにも、今一つ納得できない感があります。このことから、国連を初めとした国際機関は世界の平和と安全を担うべく、今こそその本来的な役割を果たし、アメリカとイスラエルにもっと強くストップをかけるべきだと考えます
そして、筆者が感じているもう1つの疑問は、イランと長年にわたり友好関係を保ち、平和憲法を誇る日本の政府が、アメリカの行動を止めなかったとともに、戦争をやめさせようとしていないことです。被爆国であり、アジアで唯一のG7構成国として、日本はもっとアメリカやイスラエルに強い態度を示し、イラン攻撃を止めさせ、停戦を促すべきではないでしょうか。
夜を徹して路上で体制支持をアピール;「こういう時こそ団結すべき」
しかし、その一方でイラン政府側に対しても、これ以上の犠牲を増やさず、またこれまで長年にわたり制裁などの影響で国民が抱えてきた諸問題を解決すべく、しかるべき処置を講じてもらいたいと考えています。昨年末のデモ発生から今回の事態に至るまで、物事には何らかの因果の道理が作用しており、このような事態を招いた原因がイラン側に全くなかったとは言えないと思われます。このような事態に発展した以上、表面的で姑息な方法ではなく、経済をはじめとした問題の根本解決が望まれます。イラン側に対しては、今後また同じような事態の再発を防ぐべく、これを機会に国民の要求に真剣に耳を傾け、問題の根本解決に取り組んでほしいものです。そして、交戦国に対してはもちろん、このような時こそ国連などの国際機関が権限を行使し、中東情勢はもとより世界のエネルギー・物価高騰、航空・物流をはじめとした産業界の混乱を収束させるためにも、早急にしかるべき措置を講じてほしいと考えています。
確かに、今回のアメリカ・イスラエルによる対イラン軍事攻撃を発端とした中東危機の影響で、はるか遠くの日本も原油・ガソリン価格の高騰など、少なからぬ影響を受けており、戦争が長期化すれば日本はもちろん世界にもさらに大きな弊害が及ぶと考えられます。そのような事態を未然に防ぐべく、関係国や国際社会には全力で事態の収拾に努めてもらいたいと考えます。
イラン人の夫を初め、現地に夫の家族や多数の友人知人がいてイランに長年滞在経験のある筆者にとりまして、今イランで起こっている出来事は決して見知らぬ遠い国の出来事や対岸の火事ではありません。ネットなどの通信手段が遮断されている今、日々のニュースに平常時以上に注目し、イラン現地の家族や友人知人の安否を祈る毎日となっています。おそらくイランは現代史上、特に1979年のイラン革命以降最大ともいえる一大試練の真っ只中にあると言えるのではないでしょうか。しかし、日本やアメリカよりもはるかに長い悠久の歴史を誇るイランは、持ち前の粘り強さや豊かな文化、忍耐強い国民性により、これまでにも数々の試練を潜り抜けてきています。ここはひとつ、もうひと踏ん張りして、「雨降って地固まる」と言われるように、イランが一連の困難を克服し、本当の意味で脱皮して次元上昇を遂げ、地域・国際社会でより価値ある存在となるために、現在の試練を発条にステップアップするよう、そして来年のイランの春の新年とラマダン明けを平穏無事の中で迎えられますよう一日本人として心から祈願し、今月のレポートを締めくくりたいと思います。
