先月のこのレポートでは、ちょうどイランでサワーチェリーが収穫期を迎えていることにちなんで、この甘酸っぱい風味の果物の栄養価、特徴や用途などについてお伝えました。
実はこの果物は、先月お話したような生食用や菓子類、飲料などに加えて、調理にも使用されています。今回は、このサワーチェリーをふんだんに使ったイラン料理「サワーチェリー入りの混ぜご飯」の作り方をご紹介してまいりたいと思います。このメニューは、色とりどりの具を使うため、盛り付けを工夫することで、鮮やかに食卓を彩ってくれます。
具を混ぜずに分けて盛り付けた例
<材料>;4人分
種を除いたサワーチェリー;4カップ分
米(できればインディカ米)3カップ
鶏ひき肉(牛ひき肉で代用してもよいと思います); 300g
たまねぎ中1個分をすりおろしたもの
砂糖; 3カップ
バラ水; 適量
摩り下ろして湯に溶かしたサフラン; ごく少量
サラダオイル;適量
塩、ターメリック;適量
アーモンドと皮むきのピスタチオ(装飾用、細長く砕いたもの)
1.米を洗って、2,3時間ほど水につけておく
2.サワーチェリーの種を取り、砂糖と混ぜて中火にかけ、砂糖と溶け合わせるよう煮込む。
3.鶏ひき肉を摩り下ろした玉ねぎ、塩、ターメリックとよく混ぜ合わせ、2センチほどの団子状にする
4.鍋に湯を沸かし、サフランもしくはターメリックを入れて溶かす。そこに3.で作った肉団子を入れて中まで煮るとともに黄色く色をしみこませ、煮えたところでざる等にあけておく。もしくは、煮る代わりに適量のサラダオイルで炒めておく。
5.別の鍋で、湯取り法により米飯を炊く
6.5でできた米飯の一部を、湯でといた少量のサフランとバラ水、サラダオイルと混ぜ合わせる
7.5でできた米飯の残りの一部を、サワーチェリーの煮汁少量およびサラダオイル少々と混ぜ合わせる
8.残りのライスを大皿に盛り付け、4.の肉団子と2で煮込んだサワーチェリー、6.のサフランで染めた黄色い米飯、7.のサワーチェリーの煮汁で染めた米飯を表面に盛り付ける
9.最後に、細長く砕いたアーモンドとピスタチオを振り掛ける
この混ぜご飯は、ライス、肉類、果物、ナッツ類と非常に多岐にわたる食材が使用されたメニューとされ、盛り付けの仕方にバリエーションを加えることで、実に様々なイメージのものが出来上がります。
肉と果物という組み合わせは、私たち日本人にとりまして、一瞬不思議に思えるかもしれません。しかし、いざ食べてみると、肉の風味とサワーチェリーの甘酸っぱさが見事に融合し、絶妙な風味を生み出しています。ぜひこの機会に、材料の面白い組み合わせによる、イラン式の混ぜご飯に親しんでいただければと思います。