最近、日本やイランではコロナ感染者・犠牲者数も一時期よりかなり少なくなり、第5波は収束したといったような声も聞かれるようになりました。しかし、これから冬に向かい冷え込みが厳しくなる中、インフルエンザの流行も懸念される中で、これまで以上にうがい・手洗い、消毒の徹底など、健康・衛生管理の徹底が求められるかと思われます。そうした中、栄養のある温かいメニューが欲しくなるのではないでしょうか。
先月は、ブドウの葉で肉や野菜などの混ぜ合わせたものを包んで煮込んだ、ブドウの葉のロール煮込み・ドルメの作り方をご紹介しました。しかし、イランにはそのほかにも、ナスやピーマンを使ったドルメが存在します。特に日本ではブドウの葉を食用にすることがあまりないため、食材としてのブドウの葉の入手はいささか困難かと思われます。そこで今回は、日本にある材料でも作れる、ピーマンとナスを使ったドルメの作り方をご紹介してまいりましょう。
・材料<4人分>
ピーマン;4個(できれば太目のもの)
太目のナス;4つ(長さのあるものよりも、太さのあるものを選んでください)
米;1.5カップ
ひき肉;350g
スプリットピー(われ豆);カップ半分、前の日の夜から水に浸けておいてふやけさせる
ハーブ野菜;パセリ、ミント、ディール(せり科の野菜)、ネギ、タラゴン(西洋ヨモギ)、セボリー(しそ科キダチハッカ)合わせて300g(先月のメニューでご紹介した野菜です。日本で入手しにくいものは、ニラなどの別の野菜で代用していただいてもよいと思います)
トマトペースト;食事用の大きなスプーン4杯
バター;50g
玉ねぎ;普通の大きさのもの1個
塩、胡椒、ターメリック、サラダ油;それぞれ適量
・作り方
1.2つの鍋に水を入れて沸騰させ、水に浸けておいたスプリットピー、そして米をそれぞれ個別に入れて半煮えの状態になるまで煮て、水を切っておく。この時点で、半煮えの米とスプリットピーを混ぜておいてもOK
2.野菜を洗ってみじん切りにし、適量のサラダオイルでさっと炒め、別の容器に入れてとっておく
3.玉ねぎをみじん切りにして透き通るまで炒め、ひき肉とターメリックを加えて肉の色が変わるまでよく炒め合わせる
4.1.の半煮えの米とスプリットピー、2.の炒めた野菜、塩、胡椒、ターメリックを3.に加えてよく炒め合わせる
5.ピーマンのへたを切り離し、中の種を取り除く。ナスはへたを切り離して、外側が崩れないように注意しながら中をくり貫く。
中身を取り除いたピーマンとナスの中に、4.で出来た肉と野菜、米、スプリットピー、玉ねぎを混ぜ合わせたものを詰める。
6.1つ1つのピーマンとナスの中を詰めたらそれぞれへたを元通りに被せ、適切な大きさの鍋の中に肉詰めのピーマンとナスを並べていく
7.ソースを作る。フライパンにバターを溶かし、食事用大スプーン2杯分のトマトペーストを加えて数分熱しておく
8.別のフライパンで、適量のサラダ油と食事用大スプーン2杯分のトマトペーストを熱し、さらにコップ1杯分の熱湯を加えて混ぜ合わせ、6.の肉詰めピーマンとナスとナスの上に満遍なく振り掛ける
9.さらにコップ1杯分の熱湯を、肉詰めピーマンとナスの入った鍋に加えておよそ1時間半ほど煮込む。
10.中まで煮えたら適切な容器に盛り付け、7.で作ったソースを振りかけて出来上がり。
なお、ナスの中身をくり抜く際に、お好みで表面に縞模様ができるように皮の一部を剥いても面白いものが出来上がります。
今回は、日本にある材料でも作れるかと思われるイランの家庭料理のレシピ・作り方をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。日本では初雪や富士山の初冠雪などのニュースも聞かれます中、これから益々冷え込みが厳しくなります折、皆様に温かい西アジアの風味を味わっていただき、くれぐれもご健康に留意されてお過ごしいただければと存じます。
それではまた、来月のレポートでお会いしましょう。