エストニアで”最も古いビール会社”をご存じですか?
A.LeCoq(ア・レコック)という、エストニア最大の飲料メーカーです。
本拠地は、第二都市タルトゥにあり、醸造所と併設した、ア・レコックビール博物館があります。
その博物館に行った体験レポを、見どころと一緒に、ご紹介したいと思います。
最後までご覧いただけると幸いです。
↓エストニアの第二都市タルトゥはこんなところ↓
ア・レコックビール博物館(エストニア)感想体験レポ!見どころまとめ
ア・レコックは、エストニアを代表する、アルコールや飲料製品を作る、老舗の会社です。
エストニアに住む人なら、誰でも知っています。
まずはア・レコックの歴史に触れ、博物館の様子を、ご紹介していきたいと思います。
↓ア・レコックのお酒の記事はこちらもどうぞ↓
ア・レコックの歴史を知ろう!
ア・レコックの歴史は、波乱万丈で、なんとも複雑です。
【ビールの町としてのタルトゥ】
はじまりは13世紀、ドイツの商人や職人が、タルトゥの民家の近くにある、醸造所で好みの飲み物を醸造し、発酵させていました。
1461年には、販売用の醸造手順が、初めて言及され、タルトゥの大ギルド(Brauerschragen)の、醸造規則に記載されました。
ア・レコックの直接の前身は、BJ Hesse (1800) と JR Schramm (1826)、のビール醸造所でした。
これらの企業は、時間が経ち、ティヴォリ(Tivoli)という名の、大企業までに発展しました。
1913年、経営者が変わり、新しい所有者が、現在のA.Le Coqと名付けました。
19世紀初めの数年間、タルトゥでは、いくつかの小規模な個人醸造所が、操業を始めていました。
19世紀の終わりまで、タルトゥは本格的なビールの街となり、すでに6つの醸造所がここで操業していました。
【社名のA.Le Coqの成り立ち】
1912年、ア・ルコックがタルトゥに来る。
社名のア・レコックは、プロイセン人(ドイツ)のアルバート・JL・ルコック一家によって、1807年にプロセインで設立した、A.Le Coq&Co.から来ています。
( 彼らは、17世紀にフランスから亡命した、ユグノーの子孫とのこと。)
1820年代、アルバート・J・L・ルコックは、ワイン製品を扱っており、商品を取引するためにロンドンに移住しました。
ワイン事業と並行して、ロシアのインペリアルスタウト(一般的に温発酵される黒ビールのこと)を、A.Le Coqインペリアル・エクストラ・ダブル・スタウトとして、自分の名前で瓶詰めし、出し始めました。
しかし、ロシアで課せられる重い酒税と、偽造が増えたため、1904年に私的有限会社となった A.Le Coq&Co.(Russia) は、本社と瓶詰め工場を、ロンドンからサンクトペテルブルクに移転しました。
1912年、同社はロシア宮廷の、公式ビールサプライヤーの称号を、与えられました。
彼はロシアで、インペリアルスタウトの製造に、適した醸造所を、何年にもわたって探した結果、タルトゥのチヴォリ醸造所で、製造することにしました。
1921年、独立したエストニア共和国で、ア・レコックのタルトゥ醸造所が、操業を再開しました。
しかし1940年の夏に、ソビエトはエストニアを併合し、ア・レコックやリヴォニアのビール醸造所をはじめとする、大企業を国有化しました。
ア・レコックの社名は、Tartu Õlletehas (タルトゥ醸造所) に、変更されました。
エストニアが独立回復をした後、1997年にフィンランドのOlvi(オルヴィ)という親会社によって、民営化された際、再びア・レコック(A.Le Coq)の名を、取り戻しました。
過去200年間、ア・レコックは、多くの所有者と、経営者の手に渡りましたが、商標自体は存続しています。
ビール博物館だけどお酒も飲める!
ビール博物館に入ると、そこにはバーカウンター席と、後ろにギフトショップが見えました。
博物館のチケットは、バーカウンターのスタッフから購入します。
ここはミュージアムカードが、使える博物館なので、私はミュージアムカードの、QRコードを見せました。
渡された博物館のステッカーを、見える所に貼る様言われました。
エストニアの博物館は、来館者と分かる様に、ステッカーを体に、張る所が多いです。
スタッフの人が、博物館は地下にあり、コートは階段を下りた所に、かけられると説明されました。
トイレも階段を降りたところにあります。
また、もし地下のバーカウンターに、スタッフが居ない場合は、ここに来れば、ワンドリンクが飲めるとも。
ワンドリンク付きなのを、知らなかったので、得した気分になりました!
余談ですが、私達は開館時間より早めに着き、博物館の中の手前の、椅子で待っていた為、対面にあるロッカーに目が行き、先にコートや荷物をそこに入れていました。スタッフの人は、それに気が付いて、教えてくれたのかと思いますが、恐らくそのロッカーは、醸造所で働く人が利用する物、だったのかもしれません。家に帰って、写真を見るまで、気が付きませんでした。そういえば、工場で働いてる様な風貌の人が、数人うろうろしていたな…と。皆さんが博物館を訪れる際は、地下のコート掛けを使ってくださいね!
階段を降りた通路は、すでに博物館の展示が、始まっている様な雰囲気でした。
通路を抜け、部屋に入ると、パブの様な雰囲気の部屋と、ア・レコックの歴史が、書かれていました。
ビールの実際の重さを持ってみよう!などちょっとした仕掛けもあり、大人だけでなく子供も楽しめそうでした。
展示はエストニア語の他、英語も表記されているので、分かりやすかったです。
ちょっとした仕掛けと、歴史を楽しみながら、パブのあるスペースに出ると、バーカウンターがあり、その向かいには昔のコースターが飾られていました。
また、世界の乾杯の音声が、聞けるスイッチもありました。
残念ながら、中国語はあっても、日本語の音声は、ありませんでした。
別の部屋に行く入口があり、そちらへ行くことにしました。
ビール醸造タンクや製造機の展示がいっぱい!
次の部屋へ入ると、古めかしいタンクの様な、パイプの様な物が、たくさんあり、壁に男性の動くシルエットが映され、少しぎょっとしました。
ぐるっとまわると、別の部屋に行ける入口が、奥にありました。
片方は、ビールになるホップや、麦がつまった装飾があり、実物を出して、触ることができます。
実際に香りを、楽しむことができるので、色んな原料の香りを、知ることができます。
個人的には楽しかったです。
チョコレートの香りの、原料が印象的でした。
隣の部屋に行くと、創業時からの飲料品の歴史や、ラベル・ボトルがずらっと、飾られていました。
時代と共に、ボルトの形も変わっていくのは、とても興味深かったです。
昔はガラス瓶だけのところ、現在では缶が流通していたり…
今でも、ガラス瓶のビールはありますが、時代に合わせて、缶が多く見られるようになったことが、時代の移り変わりなのかなと感じました。
最後の部屋は、昔ビール生産に使われていた機械が、たくさん展示されていました。
実際に動かすことができるので、当時のビール作り体験ができます。
私は、ボトルに蓋をつける機械を、動かしてみました。
やってみると意外と楽しくて、ハマってしまいました。
ちなみにこの部屋から、博物館の裏にある工場の外観が、少し見えました。
意外と地下の博物館は、広い印象でした。(途中1階にあがりますが)
見どころは博物館だけじゃない!ギフトショップも楽しめる!
最後にギフトショップを眺め、ビールを頂こうと、入口に戻りました。
ギフトショップの向かいには、ソビエト時代に使われていた、自動販売機の様な物がありました。
自販機に書かれたпивоはロシア語で、ビールを意味します。
ビールがでる所に、ジョッキが置かれていたので、コインをいれたら、それに入れて飲むようです。
昔っぽさがいいですね!
見どころ一杯の博物館ですが、ギフトショップも中々よかったです。
ギフトショップには、ア・レコックで作られた製品はもちろん、製品に使われているキャラクターのTシャツや、小物など、コレクター心をくすぐるものでいっぱいでした!
私個人は、ア・レコックのビールのイスと、ワイングラスに心惹かれました。
イスはそれなりですが、どれもそこまで高くないので、たくさん買いたくなりましたが、その衝動を押さえました。
エストニアのお土産には、ぴったりかもしれません!
どのお土産屋さんでも、見ることができない物ばかりなので、ここでお土産を買うのはおススメです!
最後はビールで博物館を堪能
さて、最後のお楽しみである、ア・レコックのビールを飲みました。
ビールは目の前のサーバーから、注いでくれるので、まるでお昼からバーにいる気分です。
私はマンゴー味のビールをチョイス!
マンゴーのフレイバーが爽やかで、飲み口も軽く、私にはぴったりでした。
お店で見かけたら、また飲もうと思いました。
ここではジュースも選ぶことができ、ちょっとしたトラブルで、ビールとジュースを、飲むことができました。
というのも、ビールを注いでもらう時に、カウンターの女性が「ストップと言ってね」というので、グラス半分の所でストップをかけました。
同行していた友人も、同じビールを頼みましたが、女性は困った顔をし、「量が足りないから、よかったらジュースも飲めるよ」と教えてくれました。
「???」と思っていたら、私が最初に注いだグラスのビールの量が、一杯分に満たなかったので、残りを友人のグラスに注ぎ一杯分にして、二杯目をジュースにしてくれた、というわけでした。
女性にとって、私の半分の量が、予想外だったんでしょうね(笑)
結果ビール一杯、ジュース一杯を、二人で半分ずつ飲めることになりました。
スタッフの女性の気遣い方が、日本人の様な繊細さで、おかげで損をすることなく、美味しいビールとジュースを、飲むことができました。
ア・レコックビール博物館(エストニア)への行き方
ア・レコックビール博物館は、エストニアのタルトゥにあります。
中心街のケスクリン(Kesklinn)から、多少距離があるので、公共のバスを使った方がよいでしょう。
Taskuショッピングセンター前の、Soola(ソーラ)バス停から、3番または31・31R番のバスに乗り、Hurda(フルダ)バス停で降りるといいでしょう。
Hurda(フルダ)から、博物館まで徒歩3分です。
町を見ながら、向かいたいという方は、徒歩30分もあれば行けるので、歩くのもいいかもしれませんね。
私達は行きはバスで、帰りはラエコヤ広場にむかったので、歩いて帰りました。
博物館からラエコヤ広場までは、徒歩約15分ほどでした。
開館日・時間 | 火~金 11:00~18:00 土11:00~17:00 |
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休館日 | 日曜日・月曜日 |
入館料 ※2024年時点 |
一般:10ユーロ、子供(7~18歳):4ユーロ、幼児(0~6歳):無料
ミュージアムカード保持者:無料 |
住所 | Luupeo pst 15, タルトゥ |
↓ミュージアムカードについて紹介しています↓
ア・レコックビール博物館(エストニア)感想体験レポ!見どころまとめ 最後に
お楽しみいただけたでしょうか?
外から見たら、そこまで大きく見えなかったのですが、中に入ってみると奥行きがあり、地下と1階を上手に使った部屋の作りで、広々としていました。
また、開館と同時に行ったからか、私達が入った時は誰もおらず、ほとんど貸し切り状態で、とっても見やすかったです。
季節も4月で、雪が残っていたので、観光客も少なかったのかもしれません。
エストニアにお越しの際には、こちらのビール博物館も、お楽しみください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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References;alecoq.ee