ピレット・ラウド(Piret Raud)とは、エストニアを代表する、児童書作家または、アーティストです。
エストニアで、最も成功した作家の一人であり、最も翻訳された作家でもあります。
彼女の書く物語は、ユニークで、個性的なイラストが、とても魅力的です。
ページを捲るたびに、彼女の世界観と挿絵に、魅了される事でしょう。
実は、日本と縁のある方なのを、ご存じでしたか?
以前、エストニアの児童書を紹介しましたが、今回はピレット・ラウドに焦点を当て
彼女がどんな人物で、どういった作品を手掛けているのか
作品の魅力や代表作を、ご紹介したいと思います。
最後までお付き合いお願いします。
ピレット・ラウドとはどんな人?
ピレット・ラウドは、1971年に首都タリンで、生まれました。
エストニア芸術アカデミー(Eesti Kunstiakadeemia (MA))で、グラフィックを学び、その後フリーランスで、アーティストや作家として、活動しています。
彼女が手掛けた挿絵は、50冊以上にも上り、20冊以上の児童書と、いくつかの小説を出版しています。
父エノ・ラウドは、エストニア人ならみんな知っている、シプシック(Sipsik)を書いた人です。
他にも、祖父にマルト・ラウド、母アイノ・ペルヴィク、兄にレインとミフケル・ラウドを持つ、作家一族です。
シプシック(Sipsik)はこちらで紹介しています↓
海外で彼女の本は、20か国以上で翻訳され、中でもフランス語は、一番多く翻訳されています。
彼女の作品は、エストニア美術館(Eesti Kunstimuuseum)と、エストニア国立図書館(Eesti Rahvusraamatukogu)のコレクションに、収蔵されています。
2005年以降、数々の賞を受賞し、今日のエストニア児童文学に、多大な影響を与えています。
2023年には、エドガル・ヴァルテル イラストレーション賞を、受賞しました。
エドガル・ヴァルテル イラストレーション賞(Edgar Valteri illustratsioonipreemia)とは、エストニアを代表する児童文学者の、エドガル・ヴァルテル(Edgar Valter)の名を冠しており、文化省の後援を受け、2019年に創設された、児童文学者に贈る賞です。彼はシプシック(Sipsik)の挿絵も手掛けています。またこの賞は、エストニアの書籍作家の作品を評価し表彰すること、エストニアの児童文学の発展を促進および支援すること、そしてエドガル・ヴァルテルの記憶を永続させることを、目的としています。
ピレット・ラウドの作品4つご紹介!
ピレット・ラウド作品は、多岐にわたり、今もなお新しい本が、出版されています。
全ての作品を、紹介することはできませんが、ほんの一部だけ
人気の書籍、推薦図書に選ばれた書籍、私個人がお勧めする書籍、を元に、紹介したいと思います。
※邦題がない本は()内に訳を書いています。
うみ(Meri)
いつも側にいる海、いつもお話を聞かせてくれる海、いつも何でもしてくれる海。
もしそんな海が居なくなったらどうする?
海に住む魚たちと海の間で、大切な物は何かを気づかせてくれる、ユニークな作品です。
子育て中のお母さんに、通じるものがあるという、感想もありました。
冒頭でも触れましたが、ピレット・ラウドは日本人向けに、児童書を3冊出版しています。
こちらはその中の1冊です。
その他の作品紹介は、こちらで紹介しています↓
Natuke napakad lood(ちょっとおかしな物語)
Natuke napakad lood(ナトゥケ ナパカッド ロード)は
ちょっとヘンテコな物語が、たくさん収録された短編集。
逆立ちをしたい卵や、お茶会が好きな魚が、湖の水を飲み干してしまう話、日本の生け花に挑戦する牝牛の話だったり…
予想もつかない、ちょっとおかしな話を、一つ一つ読むうちに
ピレット・ラウドのナパカッド(おかしな)な世界に、ハマっていることでしょう。
Järve kiri(湖の手紙)
海を想う湖の美しい物語。
空から落ちてきたボトルに、湖は手紙を託し、まだ会ったこともない海に、お手紙を書きます。
そのお手紙は、海に届くのでしょうか。
白黒の世界に、一点の青色が映えた、美しい作品。
絵も美しいですが、読み終わると、心が温まるストーリーになっています。
TOBIAS JA TEINE B(2年生のトビアス)
2年生のトビアスと、彼の楽しい友達と過ごす、日常を描いた作品。
20個の個別のストーリーから、今日のエストニアの学校へ通う、子供たちの生活が伺えます。
ユーモアに溢れた、心がほっこりする話が書かれています。
小学生向きの本ですが、大人が読んでも楽しめると思います。
ピレット・ラウドの書いた作品の中で、最も売れている作品ですが、イラストは別の方が描います。
アフヴェンが語るピレット・ラウドの魅力
特に彼女の父を差し置いて、なぜ、あえてピレット・ラウドを、紹介したかというと
エストニアの児童書を探しに、図書館へ行った際、司書の方に勧められたのが、きっかけでした。
一番最初に読んだ彼女の本が、”Natuke napakad lood(ちょっとおかしな物語)”です。
この1冊から、ピレット・ラウド作品の魅力にハマり、他も読んでみたいと思うようになりました。
彼女の描く独特なイラストも、魅力の一つですが、物語の主役が意外なものだったりするところが、私には新鮮でした。
例えば”耳”が主役の本なんて、あまりないですよね?
耳がどうやって物語を展開するの?と思いながら読みました。
大きいストーリー展開はないですが、耳であることを活かした物語が、今の自分をちょっと見つめ直すことになったりと、私の心に響いたお話でした。
ピレット・ラウドは、児童書以外に、大人に向けた小説も、出版しています。
エストニア語がまだ未熟は私は、Google翻訳を片手に、短い本しか読めませんが
いつか自分で、彼女の本を読めたらいいな…と思います。
ピレット・ラウド(エストニアの作家)作品の魅力と代表作を紹介! まとめ
エストニアを代表する、児童文学者ピレット・ラウドを、紹介しました。
読んでみたい!と思っていただけたら幸いです。
残念ながら、日本語に翻訳された本は、とても少ないですが、いつか彼女の素晴らしい本を、日本の皆さんに、届けられたらと思います。
過去には日本でも、展覧会を行った事があるそうなので
もし今後彼女の名前を聞いたら、注目してみて下さい。
素晴らしい体験になると思います!