日常生活

日本のお食い初めとエストニアのシルバースプーン

Tere!アフヴェンです♪

いよいよ夏が始まりますね!

エストニアは温かくなりましたが、気温は最高15℃など、東京と比べたらまだ低めです。

早く25℃まで上がってほしいです。(エストニア人にとっては暑すぎますが^^;)

さて、先日子供が生まれて、100日が経過したので、お食い初めのお祝いしました。

日本の伝統的な儀式を行うのに、食材など集めるのはとても大変です。

「はて、どうしたもんか…。一生に一度だからお祝いはしたいし…。」

無い物はアイデアで補う!

…ということで

Fusion of Estonia and Japan 
(エストニアと日本の融合)

をテーマにやってみました!

その時の様子をつらつら語っていきます。

エストニアにもある?お食い初めに似た習慣

日本では生後100日目に、将来子供が食べるものに困らない様にと、願いを込めてお祝いをします。

では、エストニアには、そういう風習は無いのでしょうか?

全く同じとは言えませんが、似たようなものがあります

シルバースプーン!

子供の幸運と健康をお祝いして、大抵は祖父母から孫へ、シルバースプーンを贈るのが伝統です。

これは旧ソビエト時代から伝わったものだそうで、銀の性質や、銀そのものの価値から、お祝いとして贈られたそうです。

昔から、銀は触れた食べ物を消毒すると言われ、裕福な家庭では銀の食器で、食事をしていたとのこと。

その効果から、銀貨を水差しに入れ、飲んでいたそうです。

エストニアでは一部の地域で、その年に生まれた子供たちへ、在住の行政から、シルバースプーンが贈られます。

私が住むユゲヴァ(Jõgeva)では、1年に2回レセプションパーティーが行われます。

私達の子供は、偶然100日の記念日に、近い日だったので、同じ週に、シルバースプーン授与式とお食い初めのイベントを行いました。

会場に集まった、今年生まれた赤ちゃんや、その両親・祖父母

一組ずつ呼ばれ、ユゲヴァ市長と議長から、シルバースプーンと絵本を贈呈され、一緒に記念撮影をします。

ユゲヴァの紋章が入ったシルバースプーンと絵本とバラの花をいただきました

エストニア人に囲まれて、待っている間、目の青い赤ちゃん達が、泣くわ叫ぶわで

阿鼻叫喚!

…までいかないですが、近いものがあって面白かったです。

私の隣に座る家族の赤ちゃんは、自分の履いていた靴を、笑顔でかじっていました^^

私達の子は、ほぼ耐えられましたが、最後はぐずり始めたので、おしゃぶりが外せず、写真もそのままで撮りました。

ちょっと心残りです…。

最後はケーキを振る舞われ、解散という流れでした。

エストニアで、異文化の貴重なお祝いに参加できて、とても嬉しく新鮮でした。

 

ユゲヴァの市長と議長と記念撮影。肝心な主役が微妙な写りに…
振る舞われたケーキはおいしかったです

お食い初めメニューをエストニア版にしたらどうなる?

さて、私にとって今年の一大イベントでもある

お食い初め

悩んだのはメニューです。日本の場合は以下…

<日本の伝統>

赤飯
鯛の尾頭付き
煮物
汁物(お吸い物)
酢の物

これをこうしてみました↓

<エストニアの食事を取り入れた>

赤飯 → ポテトサラダ
鯛の尾頭付き → サーモンorマス
煮物 → スルトゥ(煮こごり)
汁物(お吸い物) →無し 器だけ用意
酢の物 → ピクルス

割と無理がありますが、全く似たものにする必要はないか!と柔軟に考えました。

大事なのはみんなで行う事です!

お昼頃、みんなで食べ物を持ち寄りで、お食い初めのパーティをしました。

エストニアのパーティで、必ずと言っていいほど出てくる料理

Täidetud muna(タイデトゥドゥ ムナ)
Singirullid(シンギルッリドゥ)

親戚に持ってきてもらいました!

義母にはエストニアのポテトサラダを作ってもらいました。
日本のポテサラとは違うらしく、夫の好物だそうです。

私はイクラの軍艦巻きを作りました。(あと、エストニアの家族に受けがいいのでキムチも)

夫はデザートに、メロンパンを手作りしていました。(デザートになるかなぁ?)

左:Singirullid(シンギルッリドゥ)はチーズとニンニクとマヨネーズをハムで巻いた物、右:Täidetud muna(タイデトゥドゥ ムナ)は卵の黄身をマヨネーズであえて茹で卵の白身に添えたもの
義母のポテサラ
前:イクラの軍艦巻き、左:スルトゥ、右奥:夫の手作りメロンパン

お食い初めの儀式・パーティの様子

普段なら「めんどくさ~」と思ってやらない、飾り付けをこの日の為にしました。

一生に一度の事なので…親の愛でしょうか^^?

地味ですが、生後100日のお祝いであることを強調し、100日の文字とおめでとうの言葉。

儀式で必要な道具などは、有るもので代用。無理と出費はしない様にしました。

お食い初めの食器は、日本から持ってきたキャラクターものにし、衣装は日本から送ってもらった、着物風赤ちゃん服を着せました!

エストニアと日本の融合がテーマなので
よだれかけはエストニアの民族衣装柄を着用♪

歯固めの石は、義実家の庭にある石を、持ってきてもらいました!

食べさせ役は、伝統通り年長者である、義父にお願いしました^^

大勢の大人に囲まれた息子は、ちょっと緊張気味でしかめっ面でしたが、泣くこともなく儀式をこなしました。

儀式の様子。少しず人見知りが始まってきた息子。
民族衣装柄のよだれかけをつける息子

親戚から息子へお祝いを頂きました。

義両親からはイス。首も安定し始めたので、今とても役に立っています!
うちの愛猫も気に入ってしまい、気が付いたら占領しています^^;

ふてぶてしい顔して居座る愛猫

夫の叔母たちからは、それぞれ金貨銀のペンダントを、頂きました。

金貨は、叔母が生まれた時に、両親から与えられた物だそうです。

これはエストニア(その頃は旧ソビエト)の伝統の様です。まさにシルバースプーンと、似た文化なのかもしれません。

面白いことに貨幣はルーブル。ソビエトでしたからね^^

姉妹の義母ともう一人の叔母は、その金貨で結婚指輪にしたり、ネックレスに変えて身に着けているそうです。

金貨をくれた叔母は、特に加工することもなく、硬貨のまま持っていた様で、それをそのまま息子にプレゼントしてくれました。

そんな大切な物をこの子に?!

これは親として、後生大事に保管し、どれほど価値のある物なのか、何度でも息子に伝えていきたいと思います。

それくらい思いが詰まった物だと思っています。

もう一人の叔母がくれた、銀のペンダントには、息子の誕生日と時間、身長と体重が刻まれていました。

数日前から夫に、息子の個人情報を聞いていたので、何をするんだろうと思っていたら、これの為だったようです!

自分の出生記録が刻印されたペンダントは、世界に一つだけ!

こんな特別な物を頂いてしまって、本当にありがとうの言葉だけでは足りない…

私は親として、強く優しい人間に育てることが、今の所義両親や親せきに、返せることなのかな…と思っています。

感謝の気持ちを忘れない人間

であってほしいと心から思います。

日本のお食い初めとエストニアのシルバースプーン 最後に

無事にお祝いが終わりホッとしましたが、実はお祝いをした日は、母の日でもありました。

私たち夫婦から義母へ、プレゼントはもちろん渡しましたが、義両親から、私の初めての母の日ということで、お花をいただきました。

とても驚きました!

子供のイベントのことばかりで、今日が自分にとっても初めての母の日であることを、忘れていたからです。

いつも思いやってくれる義両親に、感謝の気持ちを込めて、頻繁に孫の顔を見せに行くようにしたいと思います^^♪

ここまでお読みいただきありがとうございました。

それはこの辺で
Head aega(ヘアド アエガ)!